SK nexilisは10月20日、銅箔表面に特殊カーボンをコーティングし、負極材との密着性を高めた「高密着カーボンコーティング銅箔」を開発したと発表した。高シリコン負極材や乾式電極への対応を見据えた技術で、2027年下期の商用化を目指す。
同社によると、この技術は電池電極で活物質が銅箔から剥離する現象を抑えることを狙ったものだ。二次電池向け銅箔事業を手がけるSK nexilisは、次世代電池材料向けの用途拡大につなげたい考えだ。
電池業界では、エネルギー密度の向上に向けて、負極材に占めるシリコン含有率の引き上げが進んでいる。一方、シリコン系負極材は充放電時に体積膨張を起こすため、含有率が高まるほど負極材と銅箔の密着性確保が重要になる。SK nexilisは、こうした需要を踏まえて密着性の強化に注力したとしている。
今回開発した銅箔は、溶媒を使わず粉末状態の電極材料を塗布する乾式電極工程にも対応する。乾式電極は、電池製造コストやエネルギー使用量の削減につながる次世代の製造方式として注目されており、この工程でも電極材料と銅箔の密着性確保が重要になる。同社は、今回の技術がこうした工程にも適用できるとみている。
また、カーボンコーティング層が負極材と銅箔を強固に保持することで、電極構造の安定化が期待できるという。これにより、電池寿命と安全性の向上にも寄与すると説明している。高シリコン負極材と乾式電極の双方に対応できる点を訴求していく。
SK nexilisは今後、高密着カーボンコーティング銅箔のパイロット生産体制の構築に着手する。現在は工程安定性を検証しており、量産技術を確立したうえで2027年下期の商用化を進める方針だ。
SK nexilisの関係者は「高シリコン負極材の拡大や乾式電極の導入など、次世代電池市場の技術変化に対応する成果だ」とコメントした。そのうえで「商用化に向けた最適化を着実に進め、継続的な技術開発を通じて次世代電池素材市場での競争力を強化していく」と述べた。