CitiがGoogle出身のAI人材を登用し、全社AI体制を見直した。写真=Shutterstock

米大手銀行Citiは10月19日(現地時間)、Google出身のAI人材を登用し、全社AI体制を再編した。金融業務へのAIエージェント本格導入を見据え、開発、運用、ガバナンスの各機能を強化する。KYC(顧客確認)や資産管理への適用も進めており、AI活用による生産性向上を加速させる。

American Bankerによると、CitiはGoogleでエンジニアリング・ディレクターを務めたセバスチャン・グナニャレラ氏を、「応用AIおよびエージェント・ファクトリー」の統括に任命した。

グナニャレラ氏はGoogle在籍時、企業向けのGemini Enterpriseプラットフォーム展開を主導した。Citiでは今後、AIエージェントの開発体制整備と、金融業務向けAIアプリケーションの開発を統括する。

CitiによるGoogle出身者の登用は今回が初めてではない。3月には、同じくGoogle出身のブライアン・サルーゾ氏を最高情報責任者(CIO)に起用している。

社内体制の見直しも進めた。アイダ・フィリポビッチ氏は「責任あるAI」を統括し、安全性、倫理、ガバナンスを担う。ニアム・オサリバン氏はAI戦略を統括し、シータル・チャンデルカル氏は全社AI組織の最高執行責任者(COO)を務める。

Citiは現在、87カ国で18万人を超える従業員に業務用AIツールを提供している。KYC業務や資産管理サービスにもAIを導入済みだ。

導入効果も表れ始めている。ジェーン・フレーザーCEOは直近の第3四半期決算発表で、AI活用によって新商品の投入スピードが30〜40%向上したと明らかにした。

約1万4000人のエンジニアは、CognitionのAIコーディングツール「Devin」を利用している。内製力の強化により、外部技術ベンダーへの支払いコストは前年同期比で30%減少したという。

銀行業界ではAI人材の獲得競争も激しさを増している。人材分析会社Draupによると、直近1年間の銀行業界におけるAI関連求人は約14万件で、前年から49%増加した。

今回の再編は、AIの導入そのものにとどまらず、業務適用、運用効率化、リスク管理までを一体で進める体制づくりといえそうだ。

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