写真=SK Materials JNC。SK Materials JNCのハ・ジョンファン代表(左)とSN Displayのイ・テウ代表(右)

SK Materials JNCは10月20日、SN Displayとペロブスカイト・ナノ結晶素材の量産化に向けた協力覚書(MOU)を締結したと発表した。両社は合成技術と量産・品質保証の体制を連携させ、次世代ディスプレイ素材の実用化を加速する。

ペロブスカイトは、発光する微細な結晶構造を持つ素材で、研究開発中心の段階から商用化を視野に入れる局面に入りつつある。両社は今回の提携を通じ、量産基盤の整備を共同で進める。

SN Displayは、ソウル大学のイ・テウ教授が創業したディスプレイ素材スタートアップだ。ペロブスカイト・ナノ結晶素材を高効率で大量合成する技術を持つという。研究成果は学術誌「Nature」「Science」に掲載され、「CES 2026 Innovation Award」も受賞したとしている。

ペロブスカイト発光素材は、次世代色規格「BT.2020」に対応可能な高い色純度と発光効率を備える。「BT.2020」は、従来のHDTVより広い色域を規定するUHD映像の国際標準。このため、ペロブスカイトは有機EL(OLED)や量子ドット(QD)に続く次世代ディスプレイ素材として注目されている。色変換フィルムから自発光ディスプレイまで、適用範囲も広い。

今回の協業では、両社の強みを組み合わせる。SN Displayはペロブスカイト発光素材の中核となる合成技術を持ち、SK Materials JNCは素材合成から量産、品質管理までの体制を備える。研究開発段階にある素材を、ディスプレイ産業で活用可能な水準へ引き上げるのが狙いだ。

SK Materials JNCは、ホウ素系ブルードーパントなどOLED素材分野で、合成から生産、素子評価、品質管理までを一貫して手掛けてきた。SN Displayの素材については、SK Materials JNCが合成と製造を担い、工程最適化や品質保証システムの構築も支援する。これにより、商用化を後押しする方針だ。

SK Materials JNCのハ・ジョンファン代表は、「SN Displayの優れたペロブスカイト技術と当社の合成・量産能力を結び付けることで、次世代ディスプレイ素材の商用化を大きく前倒しできる」とコメントした。そのうえで、「両社の強みを基盤に技術競争力を高め、ディスプレイ素材市場で新たな成長機会を創出したい」と述べた。

SN Displayのイ・テウ代表は、「今回のMOUは、当社が蓄積してきたペロブスカイト素材技術を基盤に、生産・供給能力を拡大する重要な契機になる」と説明。「SK Materials JNCとの協力を通じて高品質素材の安定供給基盤を強化し、ディスプレイ応用製品の事業化を進める」と語った。

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