デモ車両に乗車し、故障車や工事、悪天候、緊急車両接近などの通知機能を体験するITS世界総会の参加者。写真=LG Electronics

LG Electronicsは10月20日、江原道江陵で開幕した「2026 ITS世界総会」で、次世代交通安全ソリューションの公道デモを公開した。車車間・路車間通信を中核に、交通安全ソリューションのグローバル展開を加速する。

ITS世界総会は5日間の日程で開催される。各国の政府機関、企業、学術界の専門家が、知能型交通システム(ITS)に関する技術や政策を共有する世界最大級のイベントで、欧州、米州、アジアを巡回しながら毎年開かれている。

今回のデモでは、車両が他車両や道路インフラと直接通信するV2Xと、移動通信網を通じて車両をクラウドサーバーに接続するV2Nを組み合わせたソリューションを披露した。事前登録した参加者はデモ車両に乗車し、約2.6kmの区間で機能を体験した。

同社によると、デモでは故障車や停止車両、道路工事、悪天候、救急車の接近、歩行者との衝突リスクなどを車両が事前に検知し、ドライバーに通知する一連の流れを確認できる。

V2Xは、専用設備間で別個の通信網を介さずに直接情報をやり取りするため、応答速度に優れる。路側機を設置すれば、周辺車両に対してリアルタイムで交通関連情報を伝達できる。

一方、V2Nは移動通信網を使い、より広域の故障車情報や工事区間、気象、交通信号の情報を提供する。LG Electronicsは、両方式を併用することで、それぞれの弱点を補完できるとしている。

路側機や信号機、電柱などに設置された設備の通信範囲内では、V2XとV2Nで収集した情報をあわせて活用する。直接通信が難しいエリアでは、V2Nが危険情報を補完的に伝える仕組みだ。これにより、車両は通信環境が変化しても周辺の危険を途切れなく把握できるという。

今回のソリューションは、欧州の新車安全性評価プログラム「ユーロNCAP」の最高評価基準も満たした。

LG Electronicsは、テレマティクス分野での技術力を基盤に車載通信事業を拡大している。同社によれば、同分野の世界市場シェアは首位で、TechInsightsに基づく推定としている。

同社は最近、5Gの最新通信規格「R16」ベースのスマートテレマティクスソリューションを、業界で初めて欧州自動車メーカーの量産モデルに適用した。来年、欧州・中国・中東で車載緊急通報システムの搭載義務化が予定されていることを受け、2Gから5Gまで対応する「次世代ハイブリッド緊急通報システム」も投入した。

また、フラッグシップ電動SUV「GV90」には、リモート制御や無線ソフトウェア更新(OTA)などのコネクテッドカーサービスを担う車載通信制御システムを供給している。

LG ElectronicsのVS研究所長(副社長)は「車両と道路インフラ、ネットワークを有機的につなぐV2X技術を継続的に高度化し、より安全な未来モビリティのエコシステム構築を進めていく」と述べた。

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