AI関連株への積極投資は時期尚早だとCNBCのジム・クレイマー氏が指摘した。写真=Shutterstock

米国株が反発する中でも、AIデータセンター関連株への積極的な買いはまだ早い――。CNBCが19日報じたところによると、ジム・クレイマー氏は、足元で戻りを見せたAI関連株について、テクニカル面とファンダメンタルズ面の懸念が残っており、追加上昇を楽観視する段階ではないとの見方を示した。

同氏は、長期的にはAI投資の流れに前向きな姿勢を維持しつつも、AIデータセンター関連株が持続的に上昇するには4つの条件がそろう必要があると指摘した。「この日反発したからといって、リスクが後退し、安心して買い直せる局面に入ったと判断するのは早い」と述べた。

第1の条件は、テクニカル指標の改善だ。クレイマー氏は、VanEck Semiconductor ETFとRoundhill Memory ETFについて、下落シグナルとされるダブルトップが出ているように見えると分析。さらに、一部ではより弱気のシグナルと受け止められかねないヘッドアンドショルダーも観測されると付け加えた。

その上で、テクニカル分析の観点では、これらの銘柄群はまだ底打ちを確認できていないとの見方を示した。あわせて、Nasdaq総合指数とNasdaq100が、相場のトレンド判断で重視される50日移動平均線を回復する必要があると強調した。

先週金曜日の急落を受け、Nasdaq総合指数とNasdaq100はいずれも50日移動平均線を下回った。週明けの取引ではテック株に買いが入り、Nasdaq総合指数は約1.1%、S&P500は約0.5%上昇した一方、ダウ工業株30種平均はほぼ横ばいだった。VIX(恐怖指数)は4カ月ぶりに22を上回った。

第2の条件は、米大手テック企業の決算だ。クレイマー氏は、各社がAI投資を継続する意思を持っているか、また投資拡大が実際の成果につながっているかを見極める必要があるとした。

今週はSpaceXとMeta Platforms、来週はAlphabet、Microsoft、Amazonが決算発表を予定する。特に、各社のパブリッククラウド事業の成長が続くかどうかが、重要な判断材料になると指摘した。

第3の条件として挙げたのが、11月3日に予定される米中間選挙だ。クレイマー氏は、データセンター建設を巡る政治的な反発が業界の重荷になってきたとし、選挙通過後には不確実性の一部が和らぐ可能性があると述べた。

選挙結果次第では短期的な売りが出る可能性もあるが、政治的不確実性が低下すれば、AI関連株の底固めにつながる余地があるとの見方だ。

第4の条件は、Anthropicの新規株式公開(IPO)だ。報道によると、同社は早ければ11月にも上場する可能性があるという。

クレイマー氏は、巨額投資の出口を見極める局面で、この事業が持続可能な収益を生み出せる投資対象かどうかを確認する必要があるとし、AnthropicのIPOがその判断材料になり得ると述べた。一方で、大型IPOに資金が集中し、ほかのAI関連株から資金が流出する可能性にも警戒が必要だとした。

クレイマー氏は、チャートの改善、米大手テック企業の決算確認、中間選挙の通過、Anthropic上場の4条件がそろうまでは、AIデータセンター関連株に対して強気に傾くべきではないとの立場を示している。足元の反発が本格的なトレンド転換につながるかどうかは、今後の業績、政治情勢、投資マネーの動向に左右されそうだ。

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