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電気自動車(EV)向け電池の温室効果ガス排出を減らすには、製造工程の改善だけでなく、電池需要そのものを抑える方が効果が大きい可能性がある――。豪メルボルン大学の研究チームが、電池の長寿命化や大容量化の抑制が有効だとする分析結果を示した。

米ITメディアのArs Technicaが19日(現地時間)に報じた。研究チームは、2050年までを対象に、EVとエネルギー貯蔵システム(ESS)で使われるリチウムイオン電池の温室効果ガス排出量を分析した。

それによると、現在の電池生産に伴う排出量は、世界の年間温室効果ガス排出量の約0.18%を占める。一方、EVとESSの普及拡大に伴い、2050年までに電池需要は最大20倍、関連するサプライチェーン由来の排出量は約10倍に膨らむ可能性があるという。

排出削減策としては、採掘・精製工程のエネルギー効率改善や、環境負荷の低い製造工程の導入、使用済み電池のリサイクル拡大を挙げた。こうした供給網の改善により、電池1個当たりのカーボンフットプリントは2050年までに34%削減でき、2024~2050年の累積削減量は二酸化炭素換算で35億~47億トンに達すると試算した。

ただ、研究チームは、より大きな効果が見込めるのは需要抑制策だとみている。EV用電池を車両の平均寿命に見合う期間まで使えれば、交換需要が減り、新規電池需要を29%抑えられるとした。さらに、大型車志向や長距離走行ニーズに伴う電池の大容量化を抑えれば、需要を追加で23%減らせる可能性があるという。

このほか、ライドシェアの拡大で約10%、EV使用後の電池をESS向けに再利用することで約8%、それぞれ需要を抑制できると分析した。

研究チームは、こうした需要管理策を通じて、2024~2050年の温室効果ガス排出量を60億~72億トン削減できると推定した。製造工程やリサイクル工程の改善だけで得られる削減効果を上回る規模になるとしている。

もっとも、この試算は国際エネルギー機関(IEA)の将来シナリオに基づくもので、実際の削減量は電池技術の進展や普及ペースに左右される可能性がある。研究チームは、電池利用そのものを否定するものではなく、寿命延長と適正容量の設計によって必要な生産量を減らすべきだと強調した。

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