CoreWeaveの社債がジャンク級水準まで売り込まれ、AIインフラ拡大を負債に依存してきた事業モデルへの警戒感が強まっている。負債総額は350億ドル(約5兆2500億円)を超える一方、顧客契約に基づく残存履行義務(RPO)は1037億ドル(約15兆5550億円)に達しており、市場では拡大型モデルの持続性を見極める動きが広がっている。
19日付のThe Vergeによると、CoreWeaveの株価は先週火曜日の終値から20%超下落した。警戒感は同社にとどまらず、AI関連銘柄や社債市場にも波及している。
投資家が懸念しているのは、足元の債務負担だけではない。今後の追加借り入れの可能性も焦点となっている。
共同創業者のブラニン・マクビー氏は先週、Financial Timesのインタビューで、保険会社からの資金調達を進めるため、同社の信用格付けを投機的等級から投資適格級へ引き上げたい考えを示した。保険会社の資金余力に言及したこともあり、市場では巨額債務を抱える同社が追加調達に動くとの見方が強まった。
CoreWeaveは、AI業界でも代表的な高債務企業とみなされている。第2四半期時点の負債は350億ドル(約5兆2500億円)超に達した。
同社はGPUを担保に資金を調達する手法を切り開き、計算資源の提供を主力事業としてきた。ただ、黒字化には至っておらず、今年上半期の純損失は10億ドル(約1500億円)を上回った。調達コストが上昇すれば、収益性の確保は一段と難しくなる。
MetLife Investment Managementでレバレッジド・ファイナンス部門の共同責任者を務めるジョン・ヨバノビッチ氏はBloombergの取材に対し、「問題は過去1年で信用力が変わったことではなく、今後1年半で供給がさらに増えることだ」と指摘した。AI計算インフラの供給拡大が進むなか、需要と採算性がそれに見合うかが問われている。
もっとも、現時点でCoreWeaveの危機を断定するのは早計だ。同社は第2四半期時点で、顧客契約に基づくRPOとして1037億ドル(約15兆5550億円)を確保している。
このうち約40%は2028年に支払われる予定で、契約先は一部の例外を除いて契約を取り消せないという。主要顧客はMicrosoft、OpenAI、そしてNVIDIAとみられる非開示の3社目顧客で、この3社が第2四半期売上高の約4分の3を占めた。CoreWeaveは3社目の実名を明らかにしていない。
MicrosoftとNVIDIAは信用力の高い顧客とみられる。OpenAIの財務には不透明感が残るものの、市場で知られている以上に深刻な資金難に陥っていない限り、CoreWeaveは当面の事業継続には耐えうるとの見方もある。
もっとも、債務返済を継続できたとしても、AI投資ブームが一巡した後まで現在の事業モデルを維持できるかどうかは別問題だ。その持続性は、ブーム後の需要環境のなかで改めて試されることになる。
CoreWeaveを巡る不安は、他社にも広がっている。Oracleの株価は同じ期間に約10%下落し、社債にも売り圧力がかかった。
巨額の借り入れでサーバーやGPUを調達し、計算資源を販売するネオクラウド企業には、同様の懸念がつきまとう。ただ、今回の株価下落だけでAIバブル崩壊と結論づけることはできない。むしろ押し目買いの機会とみる投資家もいる。
市場の視線は、CoreWeaveが大口顧客との契約を着実な収益へ転換し、重い債務負担を吸収できるかどうかに集まっている。