AIコーディングツールの普及で、開発中ゲームの公開に慎重になるインディー開発者が増えている。写真=Shutterstock

AIコーディングツールがゲーム開発のハードルを下げる一方、インディーゲーム業界では、開発中の作品を公開すると類似作を先に出されかねないとの警戒感が強まっている。

米ITメディアArs Technicaが10月19日付で報じたところによると、ゲーム開発会社Alliance Artsは、Steam Next Festにあわせて公開する予定だった新作「Drunken Goddess Reflux」の体験版配布を中止した。同作は、悪魔を相手に酒を飲みながらロシアンルーレット形式で対決するゲームだ。

Alliance Artsは、体験版に含まれるゲームシステムや演出がAIなどを使って短期間で模倣され、正式リリース前に類似作が登場する恐れがあると説明した。誰でもダウンロードできる形での公開は見送り、ゲームプレイ動画の公開に加え、配信ルールに同意したユーザーだけが参加できる限定セッションに切り替えた。

こうした懸念は他の開発者にも広がっている。「Papers, Please」の開発者Lucas Popeは4月のポッドキャストで、AIや他の開発者による模倣の可能性があるため、開発中の作品を以前のように気軽に公開しにくくなったと語った。

実際、AIを使った複製例も出ている。開発者のFreya Holmérは3月、回転軸にブロックを積み上げるテトリス風ゲームのデモ動画を公開したが、数日後にはAIコーディングツールで作られた類似作がオンライン上に現れた。Holmérは、当初は毎日のように新たなコピー作が出てきたとし、開発過程を共有する意欲が薄れたと話している。

「McPixel」の開発者Sos Sosowskiも、公開しなければ知ってもらえず、公開すればアイデアを奪われるリスクがあるとして、インディー開発者が抱えるジレンマを指摘した。

一方、類似作を作る側は、ゲームの基本的なアイデアを取り入れること自体が必ずしも問題ではないと反論している。単なる模倣と創作の境界を巡る議論は続いている。

AIはゲーム制作のスピードを押し上げる一方で、新作の宣伝とアイデア保護をどう両立するかという課題も浮き彫りにしている。

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