米証券取引委員会(SEC、写真=Shutterstock)

米証券取引委員会(SEC)が暗号資産規則案の意見募集の受け付けを20日に締め切る。これを前に、業界団体のHyperliquid Policy CenterはSECに対し、エアドロップの証券性判断やセーフハーバーの適用要件など5項目の見直しを要請した。規制の方向性自体には賛意を示しつつ、現行案ではスタートアップを巡る法的不確実性がなお残ると指摘している。

Cointelegraphが19日(現地時間)に報じたところによると、SECは8月、暗号資産を含む一部の投資契約に適用する規制の枠組みを提案した。意見募集期間は60日間で、これまでに約140件の意見が寄せられたという。

今回の規則案は、トークンの発行や情報開示の基準を整備し、一定の要件を満たすプロジェクトに規制上の例外を認める内容が柱だ。デジタル資産市場を包括的に規律する法整備が議会で進んでいない中、SECが行政ルールによる制度整備を具体化する動きとみられている。

Hyperliquid Policy Centerは意見書で、5項目の修正を求めた。主な論点として、エアドロップの法的性格とコンプライアンス基準、セーフハーバーの要件、二次市場の扱い、連邦と州の監督権限の整理を挙げている。

特に同団体は、オンチェーン上の活動に対する報酬として無償配布されるトークンについて、投資契約に当たらないと判断するための明確な基準が必要だと主張した。利用者が資金を拠出せず、財務上のリスクも負わないエアドロップは、証券性の判断において区別すべきだとした。本人確認(KYC)の完了や、受け取りのためのウォレット接続を、対価の支払いとみなすべきではないとも強調した。

セーフハーバー制度についても見直しを求めた。SEC案では、スタートアップが簡素化された手続きで年間最大7500万ドル(約113億円)を調達できるようにし、一定要件を満たすトークンに規制上の保護措置を与えるとしている。一方、Hyperliquid Policy Centerは、現行要件ではプロジェクト側に対し、トークンが依然として運営主体に依存していることを認めるよう促す構図になりかねず、結果として訴訟リスクを高める恐れがあると指摘した。そのうえで、トークンが当初から証券に当たらないと位置付けられる選択肢を規則に盛り込むべきだと求めた。

分散型取引所(DEX)を含む二次市場への目配りが不足している点も課題に挙げた。トークン発行時点だけを規律しても、実際のオンチェーン取引の環境を対象にしなければ、規則案の実効性は限定的になるという。また、セーフハーバー終了後に失効する州レベルの免責措置についても、長期的に維持し、プロジェクトの規制負担を軽減すべきだと訴えた。

市場参加者の反応はおおむね前向きだ。欧州連合(EU)のデジタル資産規制枠組みの導入支援を目的に設立されたMiCA Crypto Allianceは、暗号資産に特化した開示の考え方とデータ構造の明確化を提案した。SkyBridge Capital創業者のアンソニー・スカラムーチも、規制整備の方向性を支持している。一方で一部の法律専門家は、行政ルールは議会立法に比べて法的安定性に欠ける可能性があると懸念を示した。

今後の焦点は、SECが寄せられた意見を踏まえ、エアドロップの証券性判断、セーフハーバーの適用要件、オンチェーン取引や州レベルの監督範囲をどう整理するかにある。業界の要望をどこまで取り込むかによって、米国のWeb3スタートアップを取り巻く事業環境や、デジタル資産市場の制度整備の行方も左右されそうだ。

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