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Appleが、シリコンバレーで過熱するAI開発競争に距離を置く姿勢を鮮明にした。超知能の実現を競う一部の動きを批判する一方、実用性とプライバシー保護を重視する自社のAI戦略を打ち出している。

米ITメディアの9to5Macが19日(現地時間)に報じたところによると、Appleでグローバルマーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めるグレッグ・ジョズウィアック氏は、米Timeのインタビューで、超知能の開発に突き進むシリコンバレーの一部勢力を「狂信的な極端派(lunatic fringe)」と表現した。

Appleはこれまで、AI対応で競合に後れを取っているとの見方が出ていた。Microsoft、Google、Metaが巨額投資を背景にAIモデルの開発を急ぐのとは対照的だ。

これに対しジョズウィアック氏は、Appleの狙いは技術力を誇示することではなく、一般ユーザーの日常生活で実際に役立つAIを提供することにあると説明した。プライバシー保護を重視する同社の方針についても、AIへの反発が強まる局面では競争力になり得るとの認識を示した。

9to5MacはこうしたAppleの姿勢に一定の理解を示しつつ、AI業界で進む際限のない開発競争がもたらすリスクにも言及した。

特に問題視したのは、AIの進展が雇用だけでなく、人間の専門性そのものを損ないかねない点だ。トラック運転、マーケティング、ソフトウェア開発など幅広い分野で自動化が進めば、人間の役割が縮小する可能性があると指摘した。

同様の懸念は学界からも上がっている。数学者のジョルダーノ・スカルチョッティ氏は、AIが研究者でも何年も解けなかった問題を短期間で解決するようになれば、将来世代が数学や科学研究に挑戦する動機を失うおそれがあると警告した。

さらにスカルチョッティ氏は、AIが科学的な成果を生み出しても、その内容を理解し、現実の研究や応用につなげられる人材が不足する可能性があると懸念を示した。ソフトウェア開発でも、AIが生成したコードを理解できる専門家が減るおそれがあるとしている。

もっとも、こうした変化がどの程度現実のものになるかはなお不透明だ。9to5Macは、AppleがAI進展の副作用を抑えられるかは未知数だとしつつも、少なくとも際限のない技術開発競争には加わらない姿勢を示していると評価した。

その上で、AI産業に対しては政治による適切な監督と規制が必要だと付け加えた。

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