中国のAI企業MiniMaxは、推論性能を高めつつ利用コストを抑えた大規模言語モデル(LLM)「M3.1 Flash」を発表した。AIエージェント分野で、低価格を武器にグローバル大手との競争力を高める狙いだ。
19日、米ITメディアSiliconANGLEによると、M3.1 Flashは6月に発表した「M3」の後継モデルに当たる。MiniMaxは、AIエージェントの運用コストを前世代比で70%削減し、推論速度は約3倍に高めたとしている。
モデルは総計4280億パラメータのMixture of Experts(MoE)アーキテクチャを採用した。推論時に一部のパラメータのみを動作させる仕組みを強化し、処理効率を高めたという。
同社によれば、出力速度は毎秒200トークン以上で、中央値ベースでも毎秒170トークンを上回る。
入力はテキスト、画像、動画に対応する。コンテキスト長は最大100万トークン。推論機能を標準で有効にしており、開発者は5段階で推論強度を調整できる。
性能面では、コンピュータ操作能力を測る「OSWorld V2」で61.7点、金融業務処理を評価する「BankerToolBench」で76.2点、サイバーセキュリティ評価の「CyberGym」で82%を記録した。
ソフトウェア開発能力を測る「DeepSWE v1.1」では73.7%だった。競合のDeepSeekが「V4.1 Flash」で示した77%を下回る水準だが、これらの数値はいずれも各社公表ベースで、第三者による独立検証は確認できていない。
価格は、入力100万トークン当たり0.15ドル、出力100万トークン当たり0.6ドル。キャッシュ済み入力は100万トークン当たり0.015ドルに設定した。
MiniMaxはあわせて、OpenRouterで匿名名義で運用されていた「Space Bunny」が、M3.1 Flashの初期版だったと説明した。匿名運用期間中に処理したトークン量は200兆トークンを超えたという。
現在はMiniMaxのAPIのほか、同社のサブスクリプションサービス、コーディングアプリで利用できる。今後はモデルの重みを公開し、高性能なPro版も投入する計画だ。