Mastercardは、ステーブルコイン決済に伴う不正や制裁違反のリスクを事前に評価するセキュリティサービス「Stablecoin Security」を発表した。北米で先行提供し、2027年のグローバル展開を予定する。The Blockが10月19日(現地時間)に報じた。
報道によると、同社は米フィンテックイベント「Money20/20 USA」で同サービスを公表した。ステーブルコインがブロックチェーン上で実際に移転される前に、金融機関が取引リスクを評価できるようにする。
Stablecoin Securityは、資金の出所を追跡し、不正や制裁違反などの金融犯罪との関連を分析する。あわせて取引の文脈も踏まえ、リスクスコアを算出する仕組みだ。
これらの情報はAPIで提供する。銀行などの金融機関は、既存の不正防止やコンプライアンス対応のシステムに組み込んで利用できるという。
Mastercardのセキュリティソリューション部門シニアバイスプレジデント、アン・ジョンソン氏は「ステーブルコインは新たな価値移転の手段になりつつある」としたうえで、「金融機関が安心して参加するには、正確な情報と適切な管理手段が必要だ」と述べた。
Mastercardはあわせて、国際決済銀行(BIS)の研究結果にも言及した。2025年にEthereum上で行われた取引1億4100万件を分析したところ、ステーブルコインの移転件数は5億9300万件に上った。このうち約60%は、単純な1対1の送金ではなく、複数段階を経る複雑な取引だったという。
同社はステーブルコイン関連事業の拡大も進めている。8月には、ステーブルコインのインフラ企業BVNKの買収を完了した。先週は、BVNKを本格統合した「グローバル・マネー・プラットフォーム」を発表している。来年には、BVNKをStablecoin Securityにも組み込む計画だ。
Stablecoin Securityはまず北米市場で提供を開始し、2027年にグローバルで商用展開する予定としている。