Galaxy Researchは、10月に入ってビットコインが軟調に推移している背景について、現物ETFからの資金流出と、ビットコインを財務資産として保有する企業の買い鈍化が重なったためだとする分析を示した。長期保有層の売りがETFと企業の買いを上回り、需給の下支えが弱まったとしている。
CoinPostが19日付で伝えたところによると、Galaxy Researchのアレックス・ソン氏は、ビットコイン安の一因として、ETFからの流出と保有企業の買い減速を挙げた。
分析の根拠となったのは、ETFの純流入量と保有企業の純買い量を合算し、5年以上動きのなかったビットコインの移動量を差し引いて月次の需給を測る独自指標だ。ここでいう「OG」は、初期からビットコインを保有してきた長期保有層を指す。保有企業の集計には、最大保有企業であるStrategyも含まれている。
10月18日時点の年初来累計では、需給は12万7319BTCの純マイナスとなった。5年以上動きのなかったビットコインの市場流入が、ETFと企業による吸収量を上回ったことを意味する。
一方、3月と4月は保有企業による大口買いが需給を支え、4月の純需給は約6万BTCのプラスを記録した。
ただ、この流れは5月以降に変わった。6月にはETFから約7万BTC規模の流出が発生し、長期保有層の売りも重なって、月間の純需給マイナスは約10万BTCまで拡大した。
7月もETFや企業による買いはほぼ細った。8月と9月はETF資金が一部戻り、小幅ながらプラスに転じたものの、累計のマイナスを埋めるには至らなかった。
10月に入ると、需給は再びマイナス圏に沈んだ。ETFは純流出に転じ、企業の買いも限定的だった。Galaxy Researchの集計では、長期保有層の売りを吸収し切れず、10月の純需給は約2万BTCのマイナスとなった。
価格動向もこうした需給悪化と重なった。ビットコインは10月初旬に8万6000ドル近辺まで持ち直した後、8万ドル前半まで下落した。
ソン氏はその後の投稿で、ETFの年初来の純流入額が3億5500万ドル(約533億円)のプラスを維持しているとも付け加えた。年初来ではなお純流入を確保しているものの、足元では需給の支えが弱まっている格好だ。
今回の集計は、ビットコイン価格を左右するのが機関投資家需要だけではないことも示している。ETFと企業の買いが続いても、長期保有層の売りがそれを上回れば、価格の重荷になり得るためだ。
とりわけ、Strategyのような大口保有企業の買いの強さと、ETF資金フローが再び回復するかどうかが、短期的な需給を左右する主な変数として残る。
年初来で見ればETF全体は純流入を維持しているが、月次では流出と流入を繰り返している。こうした局面で企業の買いまで鈍れば、長期保有層の売りを受け止める主体が減る可能性がある。市場では当面、ETF資金の方向感と保有企業の買い再開の有無を併せて見極める展開となりそうだ。