写真=デジタルトゥデイ。Rablupのシン・ジョンギュ代表は19日、ソウル汝矣島のコンラッドホテルでIPO計画を説明した

Rablupは、異種AI加速器の統合運用技術を軸にグローバル展開を本格化する。KOSDAQ上場を機に、次世代AI半導体への対応強化と海外事業への投資を拡大。GPUリソース管理にとどまらず、AIモデルの推論やトークン使用量・コスト管理まで事業領域を広げ、2029年に売上高579億ウォンの達成を目指す。

シン・ジョンギュ代表は10月19日、ソウル汝矣島のコンラッドホテルで開いた新規株式公開(IPO)の記者懇談会で、上場後の成長戦略を明らかにした。

Rablupは2015年設立。AIインフラの管理・運用ソフトを手がける企業で、主力製品は「Backend.AI」だ。GPUの分割仮想化からAIワークロードのオーケストレーション、モデルの学習・推論・サービングまで、AIインフラ運用全般を統合的に支援する。

同社が競争力として掲げるのは、特定の半導体メーカーに依存しないフルスタックの統合運用技術だ。NVIDIA、AMD、IntelのGPUに加え、各種NPUを含む11種類以上のAI加速器をサポート。異なるメーカーの半導体を単一プラットフォーム上で管理し、オンプレミスやクラウドなど多様な環境で活用できるとしている。

シン代表は「GPU仮想化とオーケストレーションからMLOps、AIモデル推論までを単一プラットフォームで提供する」と説明した。その上で、「半導体最適化からユーザーインターフェースまでを1つの基盤でカバーする、ほぼ唯一のソリューションだ」と強調した。

競合比較では、NVIDIAが買収したGPUリソース管理ソフト企業Run:aiに言及した。Run:aiがNVIDIAのデータセンターGPU中心の運用環境を支援するのに対し、RablupはAMDやIntelなど他社製半導体に加え、エッジ向け加速器まで含めた互換性を前面に打ち出す。

オープンソース戦略と大規模運用の知見も強みとする。Rablupは2017年にBackend.AIをオープンソースとして公開し、2019年から商用提供を開始した。顧客ごとに個別開発するのではなく、多様な運用環境で蓄積した課題と解決経験を1つの製品に反映してきた点が特徴だという。

シン代表は「先行参入で築いた時間差が技術的な参入障壁になっている」と述べ、「後発企業との差を維持するには継続的な研究開発が欠かせない」と話した。

足元では、国内外の企業・機関の研究所やデータセンターなど120超の現場で製品を提供している。単一サイトで2000基以上のGPUを運用した実績があり、顧客事例ではGPU稼働率を30%から85%へ引き上げ、GPU予算を40%削減したという。政府主導の独自AI基盤モデルプロジェクトにも参加しており、累計2500基超の学習運用リファレンスも確保したとしている。

同社は、GPU運用ソフト事業の特性上、AIインフラの過剰投資に伴うリスクを相対的に抑えやすいとの見方も示した。シン代表は「Rablupはハードウェア投資の変動リスクをヘッジする位置づけだ」と述べ、GPUを直接保有して貸し出す事業者ではないため、大規模な設備投資負担は小さいと説明した。

収益は年次サブスクリプション型のライセンス収入が中心だ。顧客が利用するGPUスロット数や半導体の世代、性能グレードに応じて料金を設定しており、GPUの増設や高性能品への置き換えがライセンス売上の拡大につながる。2025年の売上高に占めるリピート売上比率は94.7%、直近2年平均の純売上維持率(NRR)は131.9%だった。

2025年の連結業績は、売上高が67億1800万ウォン、営業利益が6億7900万ウォン。2年連続で営業黒字を確保した。

一方、シン代表は、AI業界の競争軸が技術力から資本規模へ移りつつあることがIPO推進の背景にあると説明した。「産業が成長すると、競争の軸が技術のスケールから資本のスケールへ移る転換点が来る」とし、既存事業の利益を再投資するだけでは市場成長のスピードに追いつきにくいとの認識を示した。

調達資金は、その相当部分をハードウェア確保に充てる計画だ。次世代AI半導体との互換性検証や、顧客環境で想定される問題を事前に解消するための研究開発にも投じる。

海外では、各国のソブリンAIインフラ構築需要とネオクラウド市場を取り込む方針だ。海外のネオクラウド事業者163社をターゲット顧客群に設定しており、現在は2桁社数の事業者と事業協議を進めているという。米国、英国、シンガポールなどの現地リセラーネットワークを通じて営業・技術支援を拡充し、2029年に売上高579億ウォンの達成を目標に掲げた。

事業領域はGPUリソース管理からAIサービス運用へと広げる。複数のAIモデルへのリクエスト分配や、トークン使用量・コストを管理する「Continuum Suite」、個人向けPCでAIモデルを直接実行できる「AI:GO」も披露した。今後は「Token Factory Suite」を通じ、AIサービス運用の全工程へ展開する計画だ。

想定公募価格は1万9000〜2万2000ウォン。公募予定額は414億〜480億ウォン(約43億〜50億円)、上場後の想定時価総額は2763億〜3200億ウォン(約288億〜333億円)となる見込み。10月22〜23日に一般申込を実施し、11月3日にKOSDAQ市場へ上場する予定だ。

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