OpenAIのサム・アルトマンCEOが共同創業した本人確認プロジェクト「World」は19日、銀行など金融機関向けに「World ID」の製品群を発表した。顧客口座、従業員の業務、AIエージェントの利用を対象に、ディープフェイク詐欺やAIによるなりすましへの対策を支援する。
同社によると、特定業界向けの製品展開は今回が初めて。
今回発表したのは、「World ID」アプリ、「World ID for Zoom」、「World ID for Agents」の3製品。金融機関はこれらを通じて、顧客アカウントや社内業務、AIエージェントを巡る本人確認を強化できるとしている。
「World ID」アプリは、利用者に関する各種証明情報を保存・提示できるIDウォレット。「World ID for Zoom」は、オンライン通話の相手がディープフェイクではなく、実在する人物かどうかを確認するための機能だ。
「World ID for Agents」は「AgentKit」とも呼ばれ、利用者が証明情報の提示をAIエージェントに委ねると、エージェントが外部プラットフォームに対してその証明を提示する仕組みを備える。
Worldプロジェクトを開発するTools For Humanityのサンドロ・ヘルビック社長は、「AIが生活全般に広がる中、企業は詐欺の抑止と信頼性向上のため、個人に証明の提示を求めている」と説明。その上で、「銀行・金融向けのWorld IDは、内外のシステムにAI時代に対応した安全な信頼基盤を加えるためのツール群だ」と述べた。
Worldは現在、OpenExchange、Bain Capital、VanEckFund、OutTakeなどと連携し、金融サービス分野でのWorld IDの適用を検討している。導入先の銀行名や価格は明らかにしていない。