中国のAI企業DeepSeekは、Web検索と文書取得の機能を外部の開発環境から利用できる検索APIとFetch APIを公開した。料金は成功1000リクエスト当たり0.75ドル(約113円)。低価格を打ち出し、開発者向けAIインフラ市場の取り込みを狙う。
Gigazineによると、DeepSeekは10月17日に両APIを公開した。あわせて、新たなAIモデル「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」も投入した。検索や文書取得をAI処理の前段で使えるようにし、外部アプリケーションや開発ツールでの活用を見込む。
検索APIは、DeepSeek独自の検索エンジンを通じてWeb上の必要な情報を取得する仕組みだ。従来はDeepSeekのAIサービス内で提供していた検索機能を、外部開発者が自社アプリやシステムから利用できるようにした。
Fetch APIは、指定したURLのページ内容をMarkdown形式で取得できる。検索APIで関連文書を見つけた後、Fetch APIで本文を読み込むことで、要約や分析など後続のAI処理に活用できる。
料金は両APIとも成功1000リクエスト当たり0.75ドル。Gigazineは、Artificial Analysisがまとめた主要検索APIの価格比較を引用し、DeepSeekの価格は競合より低い水準だと伝えた。ただ、実際のコストは成功リクエスト数や利用形態によって変わる可能性がある。
既存のAI開発ツールとの連携も焦点になりそうだ。DeepSeek Harness、AnthropicのClaude Code、OpenAIのCodexなどでDeepSeek APIを利用する場合、サーバー側で検索APIとFetch APIが使われるとしている。
DeepSeekは、これら開発ツールのサーバー側で使われる検索APIとFetch APIについて、日本時間の2026年11月1日午前1時まで無料で提供し、その後に課金を始める予定だ。このため、これらのツール経由でDeepSeek APIを使う開発者は、無料期間終了後の呼び出し量や費用構造を確認しておく必要がある。
とくにAIコーディングツールが処理の過程でWeb検索や文書取得を自動実行する場合、利用者が明示的に検索を指示しなくてもAPI呼び出しが増える可能性がある。開発環境によって実コストが変わり得るため、無料期間中に利用量と課金条件を点検しておくことが重要になりそうだ。
今回のAPI公開は、DeepSeekがAIモデルの提供にとどまらず、外部アプリケーションや開発ツールで利用できる基盤機能の提供にも踏み込んだことを示す。Web検索と文書取得は、最新情報に基づく回答生成やAIエージェントの複数タスク処理に欠かせない機能であり、API化によって開発者は自社システムへの実装負担を抑えやすくなる。
DeepSeekは、新モデルの投入と検索インフラの外部開放を同時に進めることで、開発者エコシステムの拡大を狙う。低価格のAPIが利用拡大につながるか、無料期間終了後も価格競争力を維持できるかが注目される。