Cardanoを「ゴーストチェーン」とする見方が、暗号資産業界で再び取り沙汰されている。一方で、Cardano陣営はBitcoin統合構想やスケーリング技術「Hydra」、ガバナンス刷新などを材料に、評価の見直しにつなげたい考えだ。
ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」が16日(現地時間)に報じたところによると、チャールズ・ホスキンソン氏は、BlockstreamのCEOアダム・バック氏が「Ethereum公開前に未使用トランザクション出力(UTXO)モデルの採用を推奨した」と語った件について、当時そうした通話があったことを認めた。
バック氏は、Ethereumの仮想マシン設計が競合や処理上の衝突を招く可能性があると警告し、UTXOモデルを推奨したとしている。ホスキンソン氏がこれを認めたことで、Cardanoが採用する拡張UTXO(eUTXO)にも改めて関心が集まっている。
Cardanoを巡っては、実利用の広がりが限定的だとして、一部から2018年のピーク後に存在感を失った「ゴーストチェーン」とみなす声が続いてきた。これに対し支持者は、技術面での差別化に加え、足元で進む機能拡張やエコシステム整備を挙げ、見方は変わりつつあると主張している。
支持者のドリ氏は、暗号資産業界でCardanoの価値を見直す動きが広がっていると説明した。長年にわたる批判にもかかわらずコミュニティが維持されてきた背景には、プロジェクトそのものへの信頼があるとし、参加者はエアドロップや金銭的な見返りではなく、Cardanoの方向性に共感して残ってきたと述べた。
デイビッド・ゴクシュタイン氏も、Cardanoは現在より高く評価されるべきだと指摘した。とりわけBitcoinとの連携計画を中核要素に挙げ、「何を構築しているのかを理解すれば、ADAを真剣に議論すべき時期だと分かる」との見方を示した。
CardanoのBitcoin統合構想は、Bitcoinの中核ソフトウェアを変更せず、Cardano上のアプリケーションでBitcoin由来の資産を活用できるようにする点に主眼を置く。実現すれば、Bitcoin保有者がCardanoの分散型金融(DeFi)サービスを利用できる可能性がある。Cardanoではすでにスマートコントラクトとデジタル資産をサポートしており、分散型取引所(DEX)や貸付プラットフォームなどの金融アプリケーションも稼働している。
ゴクシュタイン氏は、Bitcoin統合に加え、DeFiとステーブルコイン利用の拡大、スケーラビリティ強化策のHydra、ガバナンス刷新をADAの成長要因として挙げた。ただ、これらが直ちにADA価格の上昇を保証するものではないとも指摘している。Bitcoin相場の変動や規制環境、Cardano上のアプリケーションが実際の利用をどこまで獲得できるかも、あわせて影響するとみている。
技術面の比較も再び注目を集めている。BitcoinはUTXOモデルで利用可能な資金を追跡し、Ethereumはアカウントベースの仕組みを採用する。これに対しCardanoは、スマートコントラクトやプログラム可能な取引に対応するeUTXOを採用している。こうした設計の違いは、それぞれのブロックチェーンにおける取引処理やアプリケーションの設計思想に直結する。
今後の焦点は、Cardanoが技術的優位性の訴求だけでなく、Bitcoin連携やスケーラビリティ強化、ガバナンス改編を通じて、実際にユーザー数や資金流入、ネットワーク活動の拡大につなげられるかどうかにある。支持者は、こうした変化が「ゴーストチェーン」との評価を揺るがす可能性があるとみている。