写真=Shutterstock

Starlinkがコールセンター業務にSpaceXの「Grok」音声モデルを導入し、1日約2万件の電話に対応していることが分かった。Business Insiderが10月16日付で報じた。問い合わせの約7割は、オペレーターを介さず処理しているという。

SpaceXは今週、新たなGrok音声モデルを発表し、Starlinkのコールセンターですでに実運用していると明らかにした。Grok音声モデルは、顧客認証、Starlink機器のトラブル対応、クレジット付与、交換品の発送まで担う。SpaceXは、複数言語でも同様の対応が可能としている。

今回の導入は、音声AIの実運用事例として注目される。世界の利用者に対応するStarlinkでは、多言語対応が重要になるためだ。Starlinkは現在、世界で600万人超のアクティブユーザーを抱えるとしている。

SpaceXは、人手主体の大規模なカスタマーサポート体制を拡充する代わりに、AIを活用した多言語対応に軸足を移しているとみられる。Grok音声モデルが1日約2万件の電話を受け、そのうち約7割を自動処理しているという数字は、こうした運用方針を示すものだ。

もっとも、すべての問い合わせをGrokが処理するわけではない。SpaceXはBusiness Insiderの取材に対し、対応言語の詳細や、どの種類の通話で引き続き有人対応が必要なのかについては回答しなかった。このため、現時点ではシステムの適用範囲や限界は明らかになっていない。

音声AIを巡る競争も激しくなっている。OpenAIは7月、通話機能に対応する「GPT-Live-1」を公開し、Googleも類似の法人向けシステムを投入した。消費者向けサービスでも電話機能の拡大が進んでおり、Metaの「Muse」もベータ機能の利用者を対象に電話対応に利用できるとしている。

こうした中、Starlinkの事例は、音声AIが単なるデモ段階を超え、実際の顧客対応業務に組み込まれ始めていることを示している。コールセンターは認証や障害対応に加え、クレジット付与や交換品発送にもつながる運用の現場だけに、Starlinkが今後Grokの適用範囲をどこまで広げるかが次の焦点となりそうだ。

キーワード

#Starlink #SpaceX #Grok #AI #音声AI #コールセンター
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.