MSCIが非事業会社を指数組み入れ対象から外す新ルールを正式決定し、ビットコインを大量保有する企業に波紋が広がっている。11月30日の取引終了後に指数へ反映される予定で、暗号資産の保有比率が高いStrategyやMetaplanetは、指数除外に伴う株式需給の悪化が懸念されている。
ブロックチェーンメディアのDecryptoによると、MSCIは16日(現地時間)、非事業会社を指数組み入れ対象から除外する基準を最終確定した。新ルールは11月30日引け後に反映される。
新基準は、事業資産が乏しく、実質的に事業会社というより投資ビークルに近い企業を選別する内容だ。MSCIはまず中核要件を確認し、そのうえで5つの財務指標に照らして除外の可否を判断する。このうち4項目以上が除外基準に該当すれば、指数組み入れ不適格と判定される。
影響が及ぶ候補としては、StrategyとMetaplanetが挙がる。両社は貸借対照表に占める暗号資産の比率が高い。Strategyは数十万BTCを保有し、Metaplanetもビットコインを中核財務資産として積み増す戦略を取ってきた。市場では、MSCIの新ルールがこうした単一資産への依存度が高い企業を念頭に置いたものとの見方が出ている。
ただ、既存の採用銘柄が直ちに除外されるわけではない。既存銘柄は、直近2回の年次開示でいずれも不適格と判定された場合に除外される。一方、新規採用候補は、直近2回の開示のうち1回でも不適格と判断されれば、組み入れ対象外となる。MSCIは新ルールの適用対象となる最終企業リストを11月11日に公表する予定だ。
今回の見直しにより、昨年導入した時限措置も終了する。MSCIはこれまで、デジタル資産保有額が総資産の50%以上を占める企業について、一部の指数見直しを猶予してきた。今後はこうした企業も新基準に基づいて評価される。
指数除外が現実となれば、対象企業の株価には下押し圧力がかかる可能性がある。MSCI主要指数に連動するファンドが、除外銘柄の株式を売却する必要があるためだ。売りが集中すれば株価が下落し、保有する暗号資産の純資産価値に対して市場が上乗せしてきた評価も縮小しかねない。
Strategyを率いるマイケル・セイラー氏は、このルールを「差別的だ」と批判し、ベンチマーク指数から同社を除外しようとする方針は撤回すべきだと主張した。一方、MSCIは8月に示した草案の大枠を維持しつつ、一部修正を加えたうえで新ルールを正式決定した。
企業側の対応は分かれている。Metaplanetは最近、1万BTCを売却した後に1万1000BTCを買い戻し、財務資産を積極運用している点を示そうとした。これに対しStrategyは、指数除外の可能性が指摘された後も、従来方針に沿ってビットコインの買い増しを続けている。
市場の焦点は、11月11日に公表される最終対象企業リストと、11月30日の指数反映に移っている。とりわけ指数連動のパッシブ資金への依存度が高い企業ほど、除外に伴う需給悪化の影響は大きくなりやすく、最終リストの行方に関心が集まっている。