ビットコインは、追加利上げ観測がやや後退した後も、当面は明確な方向感を欠いたレンジ相場が続く可能性がある。CoinSharesは、相場の次の焦点が米金融政策そのものから、今後発表される米経済指標に移りつつあるとの見方を示した。
Coinpostが17日(現地時間)に伝えたところによると、暗号資産運用会社CoinSharesは、米国の物価指標と消費指標が市場予想を上回る強さを示した一方、米連邦準備制度理事会(FRB)関係者が追加利上げを示唆しなかったことで、市場の関心は次の経済指標の見極めに移っていると分析した。
9月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.7%上昇し、市場予想の3.6%を上回った。食品とエネルギーを除くコア指数も、前月比で0.3%、前年同月比で2.6%それぞれ上昇した。小売売上高は前月比0.8%増と、予想の約0.3%増を大きく上回り、8月分も1.3%増へ上方修正された。
これを受け、10月27〜28日に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ観測は一時強まった。LSEG集計では約20%から47%へ、CME GroupのFedWatchでも21%から約54%へ上昇した。ただ、ウォッシュ議長が16日の国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会で追加利上げに踏み込まなかったことから、足元では約15%まで再び低下している。
ビットコインはすでに売り圧力にさらされている。15日には8万ドル台前半まで下落し、約1カ月ぶりの安値を付けた。加えて、世界の暗号資産投資商品からは先週、4億3400万ドルが流出した。
もっとも、CoinSharesはこれを短期的な下落トレンド入りとはみていない。インフレの粘着性と底堅い需要が続く局面では金融引き締めの必要性が高まる可能性がある一方、ビットコインの足元の値動きは本格的な弱気相場というより、もみ合い局面に近いと評価した。利上げの時期に対する見方が変化しただけで、年内の追加引き締め観測が完全に後退したわけではないとも指摘した。
消費関連指標には強弱が入り交じった。9月の小売売上高の伸びには、エネルギー価格上昇の影響が一部反映された。ガソリンスタンド売上高は前月比6.4%増だった一方、ガソリンを除く売上高の伸びは0.2%にとどまり、8月の1.0%から鈍化した。CoinSharesは、エネルギー価格の上昇が家計の購買力を圧迫し続ければ、足元で底堅い消費も年末にかけて鈍化に向かう可能性があるとみている。
投資家も次の指標を注視している。予測市場プラットフォームのPolymarketでは15日時点で、10月会合の据え置き確率が約87%、0.25ポイントの利上げ確率が約14%と織り込まれていた。一方、先物市場はCPI発表後、より引き締め寄りの見方を強め、年内の追加利上げ観測も高まった。
当面の焦点は、追加利上げ観測そのものよりも今後の米経済指標にある。CoinSharesは、インフレ鈍化を示す明確な証拠が出るか、あるいは追加引き締め懸念を打ち消すほど景気の減速が確認されるまでは、レンジ相場が続く可能性が高いとした。市場はFOMCに続き、29日発表の9月個人消費支出(PCE)物価指数、11月6日の雇用統計、11月10日のCPIを次の節目として注視している。