英政府は、BBC受信料の対象を動画配信サービス利用世帯にも広げる案を検討している。写真=Shutterstock

英国政府は、NetflixやDisney+、YouTubeなどの動画配信サービス利用世帯にもBBC受信料を課す案を検討している。テレビ放送を見ない世帯にも徴収対象を広げ、BBCの財源確保につなげる狙いがある。

米ITメディアのTechRadarが10月17日(現地時間)に報じた。報道によると、英政府はクリスマス前に公表する予定の、BBCの王立憲章改定に向けた政策文書に、受信料制度の見直しを盛り込む見通しだ。

英国の年間受信料は現在180ポンド。ライブ放送を視聴する場合、またはBBC iPlayerを利用する場合に支払い義務が生じる。一方、Netflixなどでオンデマンド配信だけを視聴する世帯は現行制度の対象外となっている。

政府は、現在の制度が視聴環境のオンライン化を十分に反映していないとみている。見直しが実施されれば、BBCのコンテンツを視聴していない世帯であっても、NetflixやYouTubeなどの動画配信サービスを利用していれば、受信料の対象となる可能性がある。

背景にあるのは、BBCの受信料収入基盤の弱体化だ。3月末時点の有効な受信料契約件数は2330万件で、前年から53万9000件減少した。過去5年間の減少幅は約200万件に達している。

BBCは、従来の財源調達の仕組みは時代に合わなくなっているとして、安定的な公共放送の運営に向けた制度見直しを求めている。追加で確保した財源は、番組制作に加え、地域メディア支援や誤情報対策に充てる可能性があるという。

一方で、視聴者負担の増加や徴収方法を巡る議論も予想される。Ampere Analysisのリチャード・ブロートン氏は、受信料の対象拡大によって家計の有料サービス支出が抑制されかねないと指摘した。実際の徴収では、動画配信事業者が加入者情報を提供するかどうかも論点になるとしている。

受信料の引き上げの有無や、具体的にどこまで対象を広げるかはまだ固まっていない。英政府は、BBCの財政安定性と公共放送の独立性、視聴者負担を踏まえ、最終案をまとめる方針だ。

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