TikTokは18日(現地時間)、イーロン・マスク氏を題材にしたドキュメンタリー映画「Musk」を配給するBleecker Streetの広告アカウントを停止したが、その後に判断を撤回して復旧した。政治コンテンツ関連のポリシー違反と判断していたが、TikTokは後に誤りだったと認めた。
米ITメディアのEngadgetによると、TikTokは同日、Bleecker Streetの広告アカウントを永久停止した。理由については、政治的コンテンツに関するポリシーに繰り返し違反したためとしていた。これに対しBleecker Streetは、米国内で上映館数を拡大した時期に広告出稿が止まったとして、異議を申し立てる方針を示していた。
ただ、TikTokは同日午後に対応を修正した。TikTok米法人の広報担当者は、アカウント停止は誤りだったと説明し、広告アカウントを復旧したと明らかにした。広告掲載については、TikTokのポリシー順守を前提に認めるとしている。どの投稿が問題視されたのかは公表していない。今回の措置は、映画そのものの上映を禁じるものではなかった。
「Musk」は、アカデミー賞受賞監督のアレックス・ギブニー氏が手がけた作品で、TeslaやSpaceXを成長させたマスク氏の経歴や政治的影響力を批判的に描く約4時間のドキュメンタリー映画。マスク氏本人は制作過程のインタビューに応じておらず、同作品に公然と反発してきた。
同作は9日、ニューヨークとロサンゼルスの4館で限定公開された。初週末の興行収入は約6万9000ドル。16日からは北米の472館に上映を拡大しており、広告アカウント停止が報じられたのもこの時期だった。
同作を巡っては、他のSNSでも広告掲載に支障が出ていた。MetaとYouTubeは予告編広告を当初拒否したものの、その後に掲載を認めた。Metaは、当初の判断が誤りだったと説明している。一方、マスク氏が所有するX(旧Twitter)は映画広告を拒否したと伝えられている。
今回の一件は、政治性のある人物を扱うドキュメンタリー作品に対し、プラットフォーム各社が広告ポリシーをどう適用するのかという問題を改めて浮き彫りにした。ただ、TikTokが意図的にマスク氏への批判を封じようとしたことを示す根拠は確認されていない。