ビットコインとイーサリアムは、2026年末にかけて回復基調を維持するとの見方が強まっている。Coinbaseとオンチェーン分析企業Glassnodeがまとめた四半期レポートでは、10~12月期の市場見通しを総じて前向きとする一方、ビットコインは9万~9万4000ドルが強い上値抵抗になる可能性があると指摘した。現物ETFへの資金流入の継続や米金利の動向が、年末相場の焦点になりそうだ。
ブロックチェーンメディアのCoinpostが17日(現地時間)、このレポートの内容を伝えた。
レポートによると、ビットコインは政策金利や国債利回りが上昇する局面でも持ち直した。背景には、ドルの代替資産としての需要があるとみられる。米連邦準備制度理事会(Fed)は2026年9月、政策金利を25bp引き上げ、3.75~4.00%とした。米10年国債利回りも7~9月に85bp上昇し、5.29%を付けたが、ビットコインは回復基調を保ったという。
7~9月のビットコインは、株式よりも貴金属との連動性が目立った。金・銀との日次収益率の相関係数は0.61で、ドル指数とはマイナス0.43の逆相関だった。S&P500、ナスダックとの相関係数はそれぞれ0.30、0.29にとどまった。レポートは、足元の上昇について、単なるリスク選好の拡大というより、ドル代替資産としての需要に支えられた動きに近いと分析した。
年末までの主な注目材料としては、Fedの追加利上げ停止、コアPCE物価指数の安定、ビットコインの9万~9万4000ドルの抵抗帯突破、現物ETFへの継続的な資金流入を挙げた。一方、米10年国債利回りが5.5%まで上昇する場合や、原油高でインフレ圧力が長引く場合、ビットコインが200日移動平均線の約7万1000ドルを下回る場合、ETFからの資金流出が再開する場合には、短期的な調整圧力が強まる可能性があるとした。
オンチェーン指標も改善した。ビットコインの未実現損益比率は0.11から0.38に上昇し、「希望」局面から「楽観」局面へ移行した。1年以上動いていないビットコインの供給量も約34万BTC増えた。価格上昇局面でも、長期保有者が売却より保有を選好していることを示す動きだという。長期保有者は8月に一時的に売り越しとなったものの、9月には再び買い増しに転じた。
イーサリアムでも回復の兆しが確認された。価格は7~9月に71%上昇し、ビットコインを約20%上回るリターンとなった。未実現損益比率はマイナス0.31から0.22へ改善し、「降伏」局面から「楽観」局面に移行した。含み益の状態にあるイーサリアムの比率も28%から63%に拡大した。同期間には、1年以上動いていない供給量が7%増の6670万ETHとなる一方、直近3カ月以内に動いた量は18%減少した。価格上昇後も保有を続ける傾向が強まったとみている。
ETFの資金フローも市場心理の改善を映した。ビットコイン現物ETFは7~9月に70億ドルの純流入となり、イーサリアム現物ETFも31億ドルの純流入だった。いずれも2026年上半期の流出基調から流入基調へ転換した。
こうした動きを踏まえると、年末相場はビットコインが9万~9万4000ドルの抵抗帯を突破できるかどうか、またETFへの資金流入が続くかどうかが方向感を左右しそうだ。長期保有の流れが維持されれば一段の上昇余地が意識される一方、債券利回りの上昇やインフレ圧力の再燃は、相場の重荷になる可能性がある。