写真=Anthropic

Anthropicは10月18日、株主承認を前提に、株式5%相当を拠出する「Anthropic公益基金」を設立する方針を明らかにした。企業価値が50%上昇するごとに、さらに株式2%相当を追加で拠出できる仕組みとし、公益事業への支援余地を広げる。

TechCrunchなどの報道によると、基金はAnthropicの100%子会社として設立する予定。初期拠出として株式5%相当を組み入れる計画で、この実施には株主の承認が必要となる。

追加拠出は、Anthropicの企業価値が50%上昇するたびに株式2%相当を組み入れられる設計だ。Anthropicは、公益事業を支えるうえで、より大きな柔軟性と規模を確保できるとしている。

基金の資金使途としては、既存の非営利団体への大口寄付のほか、特定の集団に対する直接支援などを想定する。支援先や執行方法はまだ固まっておらず、運営体制や意思決定の仕組みなどの詳細は、今後数カ月以内に公表する計画だ。

今回の発表は、AI業界への逆風が強まる中で打ち出された。ダリオ・アモデイCEOは、業界が直面する課題について「本質的には信頼の危機だ」との認識を示していた。

AIが雇用市場に及ぼす影響も、基金設立の背景にある。Anthropicはすでに、AIの雇用への影響を調べる研究に2億ドル(約300億円)を投じる方針を示している。AI技術の進展の速さを踏まえ、より踏み込んだ対応が必要になる可能性があるとして、新基金が多様な手法をとる余地を確保すると説明した。

Anthropicの直近の企業価値は、5月時点で約9600億ドル(約14兆4000億円)とされる。この水準を前提にすると、株式5%相当の価値は約480億ドル(約7200億円)に達する計算だ。競合のOpenAIも2025年、公益事業を支援するため、数十億ドル規模の持ち分を保有する非営利財団を設立している。

基金が実際にどの事業を優先するのか、最終的な意思決定権を誰が持つのかは、現時点では明らかになっていない。今後示される運営原則や執行体制が、基金の実効性を見極めるうえでの焦点となる。

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