ビットコイン現物ETFのイメージ。写真=Shutterstock

ビットコイン現物ETFからの資金流出が続いている。直近2週間の純流出額は約9億1000万ドル(約1365億円)に達し、10月累計でも純流出に転じた。米インフレ指標の上振れを受けて追加利上げ観測が再燃し、暗号資産市場全体に売り圧力が広がっている。

ブロックチェーンメディアのDecryptoは18日(現地時間)、この動きを報じた。先週の純流出額は2億2860万ドル(約343億円)で、前週の6億8110万ドル(約1022億円)に続いて2週連続の純流出となった。

先週は5営業日のうち3営業日で資金が流出超となった。流出額が最も大きかったのは水曜日で、2億6140万ドル(約392億円)が流出した。火曜日には1億7570万ドル(約264億円)が流入したものの、翌日に大半が流出。木曜日は510万ドル(約7.7億円)の小幅な流入にとどまり、金曜日には再び8240万ドル(約124億円)が流出した。

10月の資金フローも悪化している。月初は約2億9300万ドル(約440億円)の流入で始まったが、足元では約6億1500万ドル(約923億円)の純流出となっている。流出が加速したのは10月7日で、同日の流出額は4億8490万ドル(約727億円)と、6月以降で最悪の水準を記録した。10月はイーサリアムETFとソラナETFも軟調だった。

背景には、米国の物価動向と金利見通しを巡る警戒感がある。9月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.7%上昇と、市場予想の3.6%を上回った。続いて発表された生産者物価指数(PPI)も予想を上回り、Fedの追加利上げ観測が再び強まった。

ビットコイン相場も不安定な値動きとなった。先週は一時8万ドルを割り込み、24時間で約9億5000万ドル(約1425億円)規模のレバレッジポジションが清算された。このうち約90%は、上昇を見込んだロングポジションだった。Nexoのアナリスト、イリヤ・カルチェフ氏は、今回の下落によってビットコイン価格がETF投資家の推定平均取得単価である8万2300ドルを下回ったと指摘した。

金利上昇は、ETFの資金フローにも直接影響する。物価の高止まりが続けば、Fedが高金利政策を長期化させる、あるいは追加利上げに踏み切る可能性が高まる。この場合、国債利回りの上昇によって、実質的に無リスクとみなされる年5%前後の利回りが、ビットコインなどのリスク資産と競合することになる。さらに、金利上昇は借り入れコストやドル高を通じて、レバレッジを活用する暗号資産投資の重荷にもなる。

もっとも、年初の上場以降でみれば資金流入超の状態は維持している。ビットコイン現物ETFの累計純流入額は573億ドル(約8兆5950億円)、総純資産はSoSoValueベースで1042億9000万ドル(約15兆6435億円)だった。ビットコインは先週金曜日、約8万1590ドルで取引を終え、1週間前の約8万2337ドルを下回った。

今後の焦点は、物価と金利を巡る逆風が続く中で、ETFからの資金流出が沈静化するかどうかだ。ビットコインがETF投資家の推定平均取得単価を下回るなか、流出基調が続くのか、それとも押し目買いで資金フローが持ち直すのかが注目される。

キーワード

#ビットコイン #現物ETF #暗号資産 #米CPI #米PPI #Fed #金利 #レバレッジ清算
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.