CryptoQuantのチュ・ギヨンCEOは18日、Bitcoin現物ETFへの資金流入がすべて反転し、上場企業が保有するBitcoinも全面的に売却された場合でも、価格は3万ドル近辺で下支えされる可能性があるとの見方を示した。
ブロックチェーンメディアのCryptoSlateによると、同氏はX(旧Twitter)への投稿で、Bitcoin現物ETFへの純流入約580億ドル(約8兆7000億円)がすべて流出し、上場企業の保有分約130万BTCが売却される局面を想定しても、オンチェーンデータに基づく取得コストの観点では3万ドル近辺が下値のメドになると指摘した。
発言は、Bloomberg Intelligenceのストラテジストであるマイク・マクグローン氏の「Bitcoinは1万ドルまで下落し得る」との見通しに反論する形で示された。チュ氏は、その根拠としてオンチェーンデータから推計した投資家の取得原価を挙げている。
分析の軸となるのは、Bitcoinの時価総額と実現時価総額の比率を示すMVRVだ。実現時価総額は、各Bitcoinがオンチェーン上で最後に移動した時点の価格で評価した総額を指す。MVRVは、市場価格が投資家の平均取得コストに対してどの水準にあるかをみる指標として使われる。
チュ氏によると、発言時点のBitcoinの実現価格は約5万3855ドル(約808万円)。この前提でBitcoinが3万ドルまで下落した場合、MVRVは約0.56となり、1万ドルでは約0.19まで低下する計算になる。同氏は、過去の深刻な弱気相場の底ではMVRVがおおむね0.6前後だったとして、1万ドルシナリオには懐疑的な見方を示した。
さらに同氏は、2019年にBitcoinを購入し、その後2度にわたる約75%の下落局面を持ちこたえた長期保有者の存在にも言及した。Bitcoinが1万ドルまで下がるには、こうした保有者まで売りに転じる必要があるとの見方だ。
一方で、マクグローン氏は、米株式市場の急落や米国債利回りの上昇といったマクロ環境が、Bitcoin相場の一段安につながる可能性があるとみている。
もっとも、3万ドルは足元の取引価格である約8万2000ドル(約1230万円)に比べて約63%低い水準に当たる。今回の見立ては、極端な機関資金流出を前提にした分析であり、この水準での下支えを保証するものではない。売却が進む過程では実現価格自体が変動し得るほか、実際の下落幅は売り圧力を吸収する需要の大きさにも左右される。
今回の発言では、Bitcoin相場を支える要因として、現物ETFへの流入資金と上場企業の保有分を合わせて示した点が特徴だ。機関需要が大きく後退する局面を想定しつつ、具体的な下値の目安を提示した格好となる。
チュ氏はXで、「マイクへ。ETFは580億ドル(約8兆7000億円)を呼び込み、財務目的でBitcoinを保有する企業は130万BTCを持っている。これがすべて流出しても、オンチェーン上の取得原価ベースでは底値は3万ドル近辺だ。1万ドルならMVRVは0.2になる。Bitcoinの最悪の底でも0.6だった。2019年の買い手がパニック売りしない限り1万ドルにはならない。彼らはすでに2度の75%急落を乗り越えている」と投稿した。