NaverとKakaoが、コマース領域で商品紹介の担い手を広げている。Naverは販売者が自ら商品訴求用のコンテンツを作成できる機能を導入し、クリエイターとの連携も強化した。一方のKakaoは、一般会員にも商品紹介への参加を開放した。
狙いは共通する。消費者が検索で商品を探す、あるいはプラットフォーム側が決まった枠で商品を見せる従来型の手法に加え、販売者やクリエイター、一般ユーザーを新たな商品発見の導線として取り込む考えだ。商品との接点を増やし、購買につなげる。
◆Naver、販売者とクリエイターの活用を拡大
Naverは14日、SmartStoreに「ストアコンテンツ」機能を導入した。
販売者は、割引イベントや新商品、商品の活用法などをテーマに個別コンテンツを作成できる。画像や動画、商品、クーポン、ショッピングライブなどを組み合わせ、1つのページとして構成する仕組みだ。
これまで販売者が消費者に情報を伝える主な手段は、商品詳細ページや告知だった。今後は、販売者が自らコンテンツを制作し、商品を訴求できる場が広がる。作成したコンテンツはストア内の複数箇所に表示でき、商品を検索したユーザーだけでなく、コンテンツ閲覧中のユーザーにも商品を届けられるという。
Naverは販売者だけでなく、クリエイターを通じた商品紹介も広げている。
「ショッピングコネクト」は、Naver Plus Storeの販売者が登録した商品をクリエイターが紹介し、そのリンク経由で注文が発生した場合に報酬を受け取れるアフィリエイトサービスだ。
今年8月時点で参加クリエイターは19万人を超え、対象商品は340万件以上に拡大した。7月のクリエイター報酬の規模も、前年同月比で約3.5倍に増えた。
SmartStore内では販売者がコンテンツを作成し、ストア外の多様なコンテンツチャネルではクリエイターが商品を紹介することで、消費者の商品発見機会を広げる戦略とみられる。
◆Kakao、「ギフト」の紹介機能を一般会員に開放
Kakaoは、商品紹介の裾野を一般会員にも広げた。
同社は13日、KakaoTalk「ギフト」で「キュレーター」機能を開放した。ギフト会員であれば誰でも、対象商品の中から任意の商品を選んで専用リンクを作成し、ブログやYouTube、Instagramなど自身のチャネルで共有できる。
そのリンク経由で購入が発生し、所定の成果条件を満たせば、商品を紹介した会員に報酬が支払われる。Kakaoは利用拡大に向け、12月まで報酬率を合計9%とするプロモーションも実施する。ただし、用意した予算を消化した場合は、報酬率が変更される可能性がある。
これまで「ギフト」のユーザーは主に商品を購入する消費者だったが、今後は自らのチャネルを通じて他の消費者を呼び込む紹介者としての役割も担うことになる。
Kakaoはこれに先立ち、KakaoTalkのショートフォームクリエイターとギフト商品をつなぐ「トークアフィリエイト」のパイロットテストも実施している。トークアフィリエイトがショートフォームクリエイター向けの仕組みだったのに対し、今回のキュレーターは、ギフト会員なら誰でも参加できる点が異なる。
今後は、キュレーターが紹介する商品を探しやすくし、複数チャネルに共有しやすくするため、関連機能を段階的に拡充する計画だ。
こうした動きは、「ギフト」が知人向けの贈答需要にとどまらず、一般的なショッピング領域へ広がりつつある流れとも重なる。2026年4~6月期の「ギフト」や「トークディール」などを含むトークビズ・コマースの統合取扱高は2兆7000億ウォンと、前年同期比9%増だった。「ギフト」内の自己購入取扱高も同期間に39%増えた。
◆商品発見と購買接点の拡大へ
両社のアプローチには違いがある。Naverは、SmartStoreの販売者によるコンテンツ制作支援と、クリエイターエコシステムと商品の接続に軸足を置く。Kakaoは、「ギフト」会員であれば誰でも商品紹介に参加できるようにし、参入障壁を下げた。
ただ、目指す方向は近い。プラットフォーム内の限られたショッピング枠で商品を見せるだけでなく、販売者やクリエイター、一般ユーザーがそれぞれのコンテンツやチャネルで商品を紹介し、新たな商品発見の機会を生み出そうとしている。
プラットフォーム側にとっては、紹介の担い手が増えるほど、自社が運営するコマース面の外でも商品接点を広げやすくなる。報酬をテコに参加を促し、そこで生まれた関心をプラットフォーム内の購買や取扱高の増加につなげる構図だ。
業界関係者は「以前は、ユーザーが検索して商品を見つけられるようにすることが重要だったが、最近はコンテンツを見ている過程で商品と出会わせることがコマースプラットフォームの重要課題になっている」とした上で、「紹介に参加する主体を増やす動きは、商品接点と購買転換の機会を同時に広げる戦略といえる」と話した。