中国の輸送分野の電動化で、車種ごとの成熟度の差が鮮明になってきた。都市バスは導入拡大期を終えて更新市場に移行し、乗用車はすでに主流化。一方で重量トラックは導入が急速に進む半面、コーチバスの電動化はなお限定的だ。電気自動車専門メディアのCleanTechnicaが17日、こうした動向を報じた。
都市バスは、中国で最も早く電動化が進み、普及が飽和に近づいた分野とされる。新たに導入される都市バスは、事実上ほぼすべてが電動バスとなっており、調達の焦点もディーゼル車からバッテリー式電動バスへの切り替えから、初期に導入した電動バスを新型車へ更新する段階へ移っている。
国際エネルギー機関(IEA)は、中国で普及している68万台超の電動バスのうち、約70%が2020年以前にすでに導入されていたと推計した。
中国の2025年の更新支援策では、新エネルギー都市バスの更新と駆動用バッテリーの全面交換を支援対象とし、この施策は2026年も継続している。政策の役割も、初期導入の後押しから、更新需要の下支えへと軸足を移しつつある。
乗用車はすでに主流段階に入った。2025年の中国の新車乗用車販売に占めるEV比率は5割をやや上回り、年末時点で選択可能なEVモデルは700車種近くに達した。IEAは、中国で販売されたバッテリー式電気自動車の約70%が、補助金なしでも同クラスの内燃機関車両より安価だったと推計している。
重量トラックは、乗用車に比べれば販売比率はなお低いものの、伸びは際立つ。2025年の中国での電動重量トラックの販売比率は約29%と、前年の約2倍に拡大した。導入が進んでいるのは、港湾、鉱山、製鉄所、産業物流の現場だ。走行ルートが比較的一定で、充電やバッテリー交換を業務の流れに合わせて運用しやすいためとみられる。
これに対し、コーチバスの電動化の進展は相対的に鈍い。2025年の中国のコーチバス販売に占めるバッテリー式電気自動車の比率は約10%にとどまった。中国では2025年末時点で高速鉄道網が5万kmを超え、年間の鉄道利用者も45億人を上回った。長距離移動の需要の一部を鉄道が取り込んでいるとみられる。
中国では過去、新エネルギーバスのように分類が重なる統計が使われており、IEAもデータ補完に合わせて分類を見直してきた。ただ、大きな流れは明確だ。都市バスは先行して飽和局面に入り、乗用車は主流化し、重量トラックは急増する一方で、コーチバスの電動化水準は相対的に低い。