国内ゲーム各社が、新作の開発段階からユーザー参加型のプレイテストを相次いで実施している。目的はサーバーの安定性や不具合の確認にとどまらない。実際のプレイデータやユーザーの声を基に、ゲーム設計やバランスを見直し、再テストで改修内容を検証する流れが広がっている。
PC向けやグローバル展開を前提とした新作が増え、開発期間も長期化するなか、正式リリース前に市場の反応を見極め、試行錯誤のコストを抑える狙いがあるとみられる。
◆テスト、改修、再テスト 開発中からユーザー検証
代表例の1つが、NCがパブリッシングするタイムサバイバルシューター「Time Takers」だ。
同作は3月にクローズドベータテスト(CBT)を実施し、9月にはSteamでグローバルプレイテストを行った。2回のテストで得たデータとユーザーの意見を踏まえて改修を進め、11月13~16日に再びグローバルプレイテストを実施する。
11月のテストでは、9月のフィードバックを反映し、戦闘バランスやキャラクターごとの個性を調整する。移動時の操作感、戦闘時のフィードバック、視認性も改善するほか、実力差やパーティー構成を踏まえたマッチングへ見直す。
NCによると、9月のテストでは3月のCBTと比べ、プレイ時間やリピートプレイ関連の指標が全般に上昇したという。1回のテストでそのまま発売に移るのではなく、改修後に再びユーザー検証を重ねる運用だ。
LINE Gamesがサービスを予定する協力型SFホラーの新作「Code Exit」も、ユーザーフィードバックを基にコア設計を見直したケースだ。
開発元のPhase 8 Studioは、5月に公開したデモに対するSteamレビュー、公式Discord、オフラインテストで寄せられた意見を分析。その結果、ゲームの目標や進行方式、協力プレイの構造が分かりにくいという課題を確認した。完成度を高める段階の調整にとどまらず、ゲームの核に関わる問題と判断し、プレイ体験そのものを再設計した。
先月28日に開始したSteamプレイテストでは、従来3段階に分かれていたセッションを1つに統合し、複雑だった任務構造も見直した。協力要素についても、特定状況で協力を求める方式から、プレイの流れの中で自然に相互作用が生まれる形へ改めた。テストは19日まで実施する。
◆チーム数削減やマップ再設計 コア構造まで見直し
Kraftonがパブリッシングし、Nirvanaanaが開発中の「Project Zeta」も、反復テストを通じて戦場設計や試合構造を見直した。
同作は、今年初めの国内テスト時点では3人×5チームの対戦方式だったが、その後は4チーム方式へ変更し、マップ全体も再設計した。開発陣によると、戦闘の谷間の待ち時間が長いとの意見を受け、戦場の規模や動線を調整したという。
6月の初回グローバルコミュニティテスト後には、序盤でついた実力差や成長差が終盤まで残るとの指摘を踏まえ、マッチングと成長構造も見直した。ソロ参加とパーティー参加のユーザーが、できるだけ近い構成同士で対戦できるようにしたほか、ビハインド側が巻き返せるよう、主要オブジェクトや報酬設計も調整した。
これらを反映した2回目のグローバルコミュニティテストは、9月にSteamで実施した。開発陣は、初回グローバルテストやgamescomなどで得たプレイデータとフィードバックを、2回目のテストビルドに反映したと説明している。開発中タイトルを継続的に公開し、意見を取り込む「オープンディベロップメント」を続けている。
◆正式リリース前に市場を探る グローバルユーザーに先行公開
こうした動きの背景には、Steamを中心に未発売のPCゲームをユーザーへ早期に公開しやすい環境が広がっていることもある。
Valveは韓国時間で20日午前2時から27日午前2時まで、「Steam Next Fest」を開催する。正式リリース前に初期のフィードバックを集め、将来の発売に向けて関心層を広げられる機会としている。
XL Gamesも同イベントで、オープンワールド・アクションMMORPG「ArcheAge Chronicles」の無料デモをグローバルユーザーに公開する。別途申請なしで参加でき、先行ネットワークテストのコンテンツに新規ダンジョンと初公開の対人戦(PvP)を追加する。
ゲーム各社にとっては、正式リリース前にゲームのコア設計や地域ごとの反応を確認できる利点がある。一方で、テスト参加者が必ずしも全ユーザー層を代表するとは限らないという制約もある。
そのため、重要なのはテスト回数そのものではなく、得られたデータやフィードバックを実際の開発にどれだけ効果的に反映できるかにある。
業界関係者は「最近は新作をユーザーに公開する時期が早まり、テストも1回で終わらないケースが増えている」としたうえで、「グローバル市場を狙うゲームほど、開発過程で実際の反応を確認し、試行錯誤を減らそうとする傾向が強い」と話した。