Apple初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」の予約が好調だ。予約開始直後から注文が集中し、発売日受け取り分は完売。一部では配送予定が1月下旬まで後ろ倒しとなっている。市場では販売台数そのものより、高価格戦略と収益への寄与に注目が集まっている。
16日付のCNBCによると、Apple Storeでの発売日受け取り枠はすでに埋まり、一部のオンライン注文では配送時期が1月下旬にずれ込んだ。事前予約をしていない場合、発売日に店頭ですぐ購入できない可能性もあるという。
Appleは従業員に対し、こうした可能性を顧客に事前案内するよう求めたと伝えられている。発売日向けの店頭在庫は限られる見通しで、店舗によっては予約分以外の追加在庫が全く入らない可能性もある。
Appleは前日、iPhone Duoへの需要が「異例」だと明らかにした。発売初期は供給が限られるとの見方も出ており、現時点では1月分までほぼ埋まっているとの見方が広がっている。
市場関係者の関心は、販売数量よりも価格戦略に向かっている。折りたたみ端末を広く普及させるというより、購買力の高い既存顧客により高単価の製品を販売する狙いがあるとの見方だ。
IDCは、折りたたみスマートフォンが今年の世界スマートフォン出荷台数に占める比率は2%をやや上回る一方、業界売上高に占める割合は7%近くに達すると見込む。2030年時点でも出荷台数ベースでは約3%にとどまるが、売上高ベースでは10%まで拡大すると予想した。
IDCのコンシューマーデバイス部門でグローバル主席リサーチディレクターを務めるナビラ・ポパル氏は、iPhone Duoについて、折りたたみ端末の中でも象徴的な存在になりつつあると評価した。折りたたみ技術自体は新しくないが、Appleが巨大なiPhoneエコシステムにこのフォームファクターを持ち込んだ点が大きいと指摘している。
価格設定が想定より抑えられたとの見方もある。Moor Insightsのアナリスト、アンシェル・サグ氏は、市場で2400~2500ドル程度が想定されていたなか、Appleが1999ドルに設定したことは、シェア拡大への意欲を示すものだと述べた。
同氏は、iPhone Duoが年末商戦から来年にかけてステータスシンボルになり得るとも見ている。初期の供給不足は、そうしたイメージを一段と強める可能性がある。Counterpoint Researchも、初期需要は供給を上回ると予想している。
AppleのiPhoneの利用基盤は約14億台とされる。アーリーアダプターの一部が動くだけでも、短期的な供給量を上回る可能性があるというのが市場の見方だ。IDCも、製品構造の複雑さに加え、Appleの厳格な製造・品質基準を踏まえると、立ち上がり期の供給は制約を受けやすいとみている。
Appleはこれまでも高価格戦略を試してきた。初代Apple Watchでは1万ドルからの18金モデルを投入し、Hermesとのプレミアム提携も継続してきた。今回はこうしたアプローチを、主力製品群であるiPhoneに広げた格好だ。
市場では出荷台数よりも売上高への寄与が重視されている。IDCは、Appleが今年iPhone Duoを約700万台出荷し、2026年のiPhone総出荷量の約3%を占めると予測した。
来年には出荷台数が70%増加し、世界の折りたたみ市場で約40%のシェアを獲得、SamsungやHuaweiを上回る最大ベンダーになる可能性があるとの見通しも示している。
iPhone Duoの購入者の相当数は、既存のiPhoneユーザーになる可能性が高い。これまでPro Maxを選んでいた層が、より高価なモデルへ移行するほか、一部では2台目のスマートフォンとして追加購入するケースも想定される。
JPモルガンは、こうした構図を踏まえると、来年のiPhone総出荷台数が概ね横ばいでも、iPhone Duoが売上高に与えるインパクトは相対的に大きくなり得るとみている。