欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、デジタルユーロの実用化が近づいているとの認識を示した。小売決済の革新と競争を促す手段として位置付け、現金を補完する日常決済向けの公的デジタルマネーとして準備を進めている。
17日付のCointelegraphによると、ラガルド総裁は国際通貨基金(IMF)年次総会での演説で、デジタルユーロについて「現金を置き換えるものではない」と説明した。その上で、日常の支払いに使える「デジタル版の現金」として整備を進めていると述べた。
また、公的な決済手段と民間の決済手段が共存することが、欧州の決済分野における戦略的自律性を下支えするとの考えも示した。
ユーロ圏の物価動向については、9月のインフレ率が3.8%となった背景に高止まりするエネルギーコストがあると説明した。ECBはエネルギーコストについて、来年には緩和に向かうとみている。
一方で、エネルギーショックの影響により、ユーロ圏のインフレ率は2027年上期までECBの目標を上回る可能性があるとの見通しも示した。こうした環境下でも、段階的な政策運営が適切だと述べた。
ECBは9月21日、金融機関が中央銀行マネーを使って機関投資家向けのトークン化資産取引を決済できるシステム「Pontes」も立ち上げた。ステーブルコインなど民間の決済資産に対する代替手段と位置付け、まず中核サービスの提供を開始し、2028年の全面実装を目指す。
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