米大手銀行が、外部AIエージェントによる顧客口座へのアクセス制限を強化している。英Financial Timesが17日に報じたところによると、CitigroupとBank of Americaは、AIエージェントによる口座ログインや取引を制限した。AIがより高い利回りを求めて預金を移し替えれば、資金流出につながりかねないとの懸念が背景にある。
報道によると、Citigroupは、サードパーティーのAIエージェントやAIアシスタントが顧客口座にログインしたり、デジタルバンキング上で直接取引したりすることを認めない方針だ。同行は、顧客の口座と情報を保護するための措置だと説明している。
Bank of Americaのブライアン・モイニハンCEOも、AIが関与した支払いの責任の所在を明確にする枠組みが整うまで、エージェントによる預金口座へのアクセスを制限していることを示唆した。モイニハンCEOは今週、「口座から資金が出ていく場合は、人の承認が必要だ」と述べた。
こうした動きは、Metaが9月にAIパーソナルアシスタント「Muse」を投入して以降、表面化している。AIボットが利用者に代わって利回りの最大化を図るようになれば、銀行預金から大規模な資金流出が起こり得るとの懸念が強まっているためだ。
AI各社は、個人の資産管理を支援するツールやチャットボットを相次いで投入している。Apolloのチーフエコノミスト、トルステン・スローク氏は報告書で、AIアシスタントが家計資金を平均金利0.1%の当座・普通預金から、3.3〜5%の金利が付く口座へ自動的に移す可能性があると警告した。
JPMorgan、Bank of America、Wells Fargoの3行が保有する無利息の預金残高は、1兆6000億ドルに達する。これに3%の利息を付けた場合、年間コストは470億ドル(約7兆500億円)に上る。3行の年間利益の合計の半分近い水準だという。
CNBCによると、JPMorganもMetaの「Muse」や「Instinct」など、外部AIエージェントによる顧客口座へのアクセスを遮断している。
報道によれば、JPMorganのジェイミー・ダイモンCEOは第3四半期決算のカンファレンスコールで、「外部エージェントに無制限の接続を認めることはない」としたうえで、「顧客とJPMorganの双方にとって危険が大きすぎる」と語った。
JPMorganは、顧客がエージェントにログイン情報を渡した後、エージェントが意図しない操作を行った場合、その責任は顧客が負うことも明確にした。同行の広報担当者は、第三者が顧客の銀行ログイン情報を受け取り、本人に代わってアクセスする方式は認めていないと述べた。
Amazonもこれに先立ち、プライバシー保護とセキュリティ上のリスクを理由に、Metaの「Muse」が顧客に代わって買い物できないようにした。