地域農畜協の共同融資で延滞率が17.5%に達するなど、相互金融の不良債権問題が韓国国会の国政監査で俎上に載った。推定損失の9割超が非組合員・準組合員向け融資に集中しているとの指摘も出ており、配当できない組合の増加や赤字組合での役員成果給支給もあわせて問題視された。
16日に開かれた国会農林畜産食品海洋水産委員会の国政監査では、農協中央会などを対象に、地域農畜協の不動産関連融資の不良化や内部統制、経営不振組合に対する監督の実効性が主要な論点となった。
◆共同融資の延滞率17.5% 損失は非組合員向けに集中
イ・ゲホ議員(共に民主党)が示した資料によると、地域農畜協の相互金融の融資残高は約385兆ウォン。組合員向け融資の延滞率が2.46%だったのに対し、非組合員向けは7.46%と約3倍に上った。
融資不良に伴う推定損失1兆3322億ウォンのうち、非組合員向け融資が59%を占めた。準組合員向けまで含めると、その比率は90.7%に達するという。
不動産開発のプロジェクトファイナンス(PF)などに絡む地域農畜協の共同融資では、延滞率が17.5%に達した。国政監査で示されたNH農協銀行の延滞率0.53%を大きく上回る水準だ。
イ議員は、地域農畜協の高い延滞率は不動産市況の低迷だけでは説明しにくいとし、共同融資に関する審査体制と事後管理の強化を求めた。審査対象となる金額基準の引き下げに加え、延滞率が一定水準を超えた場合に警告や与信取扱制限を発動する早期警戒システムの導入も提案した。
これに対し、カン・ホドン農協中央会長は「地域農協の延滞債権削減に向け、多角的な対策を進めている」と説明した。不良債権処理に向けた資金支援を拡大し、約5000億ウォン規模の不良債権ファンドを組成するなど、対応を進めているとした。
一方、イ議員は、不良債権の事後処理だけでなく、新たな不良債権の発生を未然に防ぐ制度的な仕組みが必要だと強調した。
イ・ジェグァン議員(共に民主党)も、地方農協の共同融資残高17兆ウォンのうち、8兆ウォン超が首都圏の不動産投資に集中していると指摘した。そのうえで、延滞額の比率が30%を超えているとして、「事前に適切な管理が行われていれば、これほどの金融不良が生じただろうか。抜本的に見直すべき領域だ」と批判した。
◆配当できない組合107カ所 赤字76組合中64カ所で役員成果給
地域農畜協の経営悪化と役員報酬の在り方も監査の俎上に載った。
イ議員の資料によると、配当できなかった農畜協は2021年の8カ所から、昨年は107カ所へ増加した。2024年と2025年の2年連続で配当できなかった組合は40カ所、2021年以降の5年間で一度も配当できなかった組合も3カ所あった。
長期間にわたり配当できなかった一部組合に対し、別途の経営改善措置が講じられていないとの指摘も出た。
赤字を計上した76組合のうち、64カ所(84.2%)が役員成果給を支給していたことも明らかになった。
イ議員は、赤字組合に対する中央会の監督が不十分だとして、役員成果給の支給や経営改善措置の妥当性をただした。経営不振が懸念される組合の合併過程で支払われた退任功労金も問題として取り上げた。
イ議員は「今年7月に合併したウィソン農協とウィソン中部農協では、合併前の2年間、配当できず赤字だったにもかかわらず、組合長に退任功労金8000万ウォンが支給された」と述べ、「監査機能は適切に作動しているのか」と追及した。
農協中央会は監査、経営診断、資金支援といった管理・監督手段を持つものの、不良組合に対する統制が十分に機能していないとの批判が出ている。
◆金融事故961億ウォン 独立監査機関の設置巡り議論
農協の内部統制の不備を巡る質疑も続いた。
イム・ミエ議員(共に民主党)は、直近5年間に農畜協で発生した金融事故の規模が961億ウォンに達し、横領事故の半数が自己監査ではなく外部通報によって発覚したと指摘した。
政府の特別監査と汎政府合同監査で65件の不適正事例が確認され、このうち14件が捜査依頼に至った点も強調した。
イム議員は、法的に独立性が保障された組合監査委員会が中央会の人事ラインに報告する構造になっていたとし、従来の監査体制では内部統制に限界があると主張した。
これに対しては、農林畜産食品部が既存の監督権限を十分に行使してきたかを点検すべきだとの反論も出た。
国政監査で示された資料によると、農林畜産食品部は過去5年間の農協監査で役員への措置を取っていなかったが、今年は役員措置7件を含む役職員関連の措置19件を実施した。
農協法に基づく議決取消や業務停止などの強い監督権限が、直近6年間行使されていないとの指摘もあった。
農協中央会の外部に独立監査機関を設置する案を巡っても意見が分かれた。
カン会長は、農協改革の必要性は認めるとしたうえで、政府と国会が議論する改革案について合理的な方策を用意していく考えを示した。