ボ・ハインズ氏を巡り、GENIUS法推進とNxum持分保有の利益相反疑惑が浮上した。写真=Shutterstock

ドナルド・トランプ米大統領の元暗号資産顧問、ボ・ハインズ氏を巡り、ホワイトハウス在任中にステーブルコイン法案「GENIUS法」を後押しする一方、Tetherから収益を得た投資会社Nxumの持分を保有していた疑いが浮上した。

Cointelegraphや米紙The Wall Street Journal(WSJ)などが10月15日(現地時間)に報じたところによると、ハインズ氏が共同設立したNxumは、ステーブルコイン発行体Tetherとの契約に基づき630万ドル(約9億4500万円)を受け取った。初回の支払いは、ハインズ氏が公職にあった時期に実行されたという。

問題視されているのは、ハインズ氏が議会にGENIUS法の可決を働きかけていた当時も、Nxumの持分の3分の1を保有していた点だ。GENIUS法は米国のステーブルコイン規制の枠組みを定める法案で、2025年7月に議会を通過し、トランプ氏の署名を経て成立した。

ハインズ氏は署名式にも出席しており、その場でトランプ氏が同氏に言及する場面もあったとされる。

報道では、ハインズ氏がホワイトハウス在任中もNxumのパートナーと連絡を取り続けていたとされる。Signal上でGENIUS法の進捗を共有し、法案に反対する共和党議員を「大統領に反発する者」と位置付けるよう働きかけたという。

さらに、そうした議員をCoinbaseやa16zなど、民主党側の代理人に取り込まれた人々と表現していたとの内容も伝えられている。

その後、ハインズ氏は2025年8月にTetherの戦略顧問に就任し、翌9月にはTetherの米国法人の最高経営責任者(CEO)に就いた。法案推進時の持分保有、在任中の支払い、退任後のTether参画が重なったことで、公務と私的利益の関係を巡る利益相反の有無が論点となっている。

今回の疑惑は、トランプ一族や側近が策定、または成立を後押しした制度に関連するデジタル資産ビジネスで私的利益を得ているとの批判とも重なる。トランプ氏は2025年、デジタル資産関連投資で14億ドル(約2100億円)を得たと公表している。

この中には、トランプ一族の暗号資産企業World Liberty Financial(WLFI)やUSD1に関連する収益も含まれるという。

一方、GENIUS法は大統領の署名と同時に全面施行されるわけではない。通貨監督庁(OCC)、連邦預金保険公社(FDIC)、連邦準備制度理事会(FRB)、財務省などが詳細な規則を整備する必要がある。

施行は2027年1月が予定されており、市場への具体的な影響は今後策定される規則次第で変わる可能性がある。

また、米規制当局の出身者がデジタル資産企業や業界団体に移る動きも続いている。サマー・マージンガー前米商品先物取引委員会(CFTC)委員は、任期を3年残して辞任した後、Blockchain AssociationのCEOに就任した。

Solidus Labsも、ケビン・ウェブ前CFTC顧問を政策担当バイスプレジデントとして迎えたと明らかにしている。

ステーブルコイン規制の本格施行を前に、立法に関与した公職者の利害関係や退任後の動向にも視線が集まっている。ハインズ氏を巡る疑惑でも、法案推進時の公的役割と民間ビジネス上の利益がどのように結び付いていたのかが、引き続き主要な争点となりそうだ。

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