AIの利用拡大とデータセンター建設への反発のねじれが議論を呼んでいる。

AIサービスを日常的に利用しながら、地元でのAIデータセンター建設には反対する――。AIインフラ拡充を巡って、こうした世論のねじれが改めて浮き彫りになっている。AI需要が拡大する一方で、電力や水資源の消費を巡る懸念が強く、企業には住民不安への対応が一段と求められそうだ。

Business Insiderが15日付で報じたところによると、AIデータ取引プラットフォーム「Verb」の最高経営責任者(CEO)、サイラス・ベシュロス氏は前日、CNBC主催のイベント「Trading the Midterms」で、反AI世論のねじれを指摘した。

ベシュロス氏は「データセンターやAIに反対だと言う人も、実際にはAIを使っている」と述べた。そのうえで、「データセンター建設を止めるのか、ChatGPTの利用をやめるのかという選択を迫られれば、簡単には決められないだろう。AI産業は重要な岐路にある」との見方を示した。

Verbは、個人が自らのデータをAI企業に販売し、その対価を受け取れるようにするプラットフォームだ。利用者が提供するデータの内容と希望価格を設定し、購入を希望する企業が取引の可否を判断する仕組みとしている。

同社は自社データをもとに、AIアシスタント利用者の質問内容は学業、文章作成、業務、副業に集中していると説明した。AIが日常的な生産性向上ツールとして定着しつつある、との認識を示している。

一方で、AI産業への反発も強まっている。批判的な立場の人々は、雇用の代替や著作権侵害、環境負荷などを懸念している。とりわけAIデータセンターは、大量の電力と冷却用水を消費することから、各地で住民の反発を招いてきた。

5月に公表されたGallupの調査では、米国人の71%が居住地域内でのAIデータセンター建設に反対すると回答した。このうち「強く反対する」とした回答者は48%に達した。これに対し、建設推進派は雇用創出や地域経済の活性化、国家安全保障への寄与を訴えている。

トランプ政権も、OpenAI、Oracle、SoftBankが参加する最大5000億ドル規模の「スタゲート」プロジェクトなどを通じ、AIインフラの拡充を後押ししている。

もっとも、AIサービスを利用することと、居住地域でのデータセンター建設を受け入れることは別の論点でもある。今後の焦点は、企業が電力・水資源への負荷をどう抑え、住民の懸念にどう向き合うかに移りつつある。

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