Teslaは次世代EV「Roadster」のデモを実施し、0-60mph(約96.6km/h)加速が0.81秒に達したと主張した。イーロン・マスクCEOは、同モデルについて2028年に量産を始める考えを示した。
米ITメディアThe Vergeによると、デモは15日(現地時間)、米テキサス州ウェイコ近郊で行われた。イベントは当初10月1日に予定されていたが、天候の影響で延期されていた。
会場では、車両が空中で反転し、複数の車両を飛び越える演出とともに、1秒を切る加速性能を披露した。Teslaはライブテストで、Roadsterの0-60mph加速が0.81秒を記録したとしている。また、スラスターは燃料ではなく圧縮空気で作動すると説明した。
マスク氏は、車体を路面に吸着させるアクティブエアロ用ファンシステムによって、逆さまの状態での走行が可能になったと説明した。披露した車両については、「実際に公道を走るモデルだ」と述べた。
Roadsterは2017年、Tesla Semiの発表イベントでサプライズとして初公開された。当時は0-60mph加速1.9秒、航続距離620マイル(約998km)というスペックを掲げ、2020年の量産開始を見込んでいた。
ただ、その後はModel Yなどの量販車やCybertruckに経営資源が優先的に振り向けられたことで、計画は繰り返し延期された。EVメディアElectrekは、少なくとも6回の量産延期と7回の公開予定変更があり、これまで1台も納車されていないとまとめている。初公開からは約9年がたつ。
Teslaは2025年11月、量産時期を2027~2028年へ後ろ倒ししたのに続き、足元では米国、カナダ、中国で5万ドル(約750万円)のデポジットを受け付け、予約を再開した。マスク氏は度重なる遅延の一方で、性能目標はさらに引き上げてきた。
その象徴が「SpaceXパッケージ」だ。コールドガススラスターを搭載し、浮上能力の追加と0-60mph加速1秒未満を目標に掲げている。
一方、競合各社はすでに高性能EV市場で先行している。リマックはNeveraで性能記録を更新し、ポルシェはTaycanでEVの高性能化を進めてきた。BYDも、より低価格帯の高性能モデルを投入している。
こうしたなか、Roadsterはもはや衝撃的なコンセプトカーではなく、すでに製品投入を進めた競合を追う立場に置かれている。