写真=Mastercard

Mastercardは15日、企業向け新サービス「Global Money Platform」の提供を開始した。法定通貨とステーブルコインの保有・転換に加え、ステーブルコイン対応カードの発行や、残高を使った銀行口座向け送金に対応する。

Cointelegraphによると、同サービスは、企業が独自インフラを新たに構築せずに、ステーブルコインによる決済・送金機能を導入できるよう設計された。

Mastercardは、企業が同プラットフォームを通じて法定通貨とステーブルコインを保有し、相互に転換できるとしている。あわせて、ステーブルコイン対応カードの発行や、ステーブルコイン残高から受取人の現地銀行口座へ直接送金する機能も提供する。

今回のサービス投入は、Mastercardが8月に買収したステーブルコインインフラ企業BVNKとの初の統合事例となる。Global Money Platformは同社の送金ネットワーク「Mastercard Move」と接続しており、銀行口座やカードなどを通じた170カ国以上への送金に対応するという。

加盟店での利用にも対応する。Global Money Platformは、ステーブルコイン残高をMastercardの加盟店ネットワークにつなぎ、利用者が決済カードを通じて資金を使えるようにした。初期の統合パートナーにはNuveiやMarqetaが名を連ねる。

競争環境も変化している。Visaは7月、金融機関がステーブルコインを保有・発行・移転できるプラットフォームを投入した。Mastercardが今回、インフラ領域まで対象を広げたことで、大手カード会社2社がステーブルコイン決済・送金市場で競合する構図が一段と鮮明になった。

市場環境もこうした動きを後押ししている。Standard Charteredの調査では、今年はUSDtやUSDCなど主要ステーブルコインの流通量に大きな変化がない一方、取引活動は増加しているという。供給拡大よりも実利用の広がりに重心が移るなか、Mastercardは決済網と送金網を生かして企業需要の取り込みを図る。

今後は、初期パートナーによる導入の進み具合が焦点となる。NuveiやMarqetaなどが実際にサービス展開を拡大すれば、金融機関やフィンテック企業は自前で基盤を構築することなく、ステーブルコイン対応カード、送金、決済サービスを迅速に追加できる。ステーブルコインが暗号資産取引の枠を超え、既存の決済インフラにどこまで浸透するかが注目される。

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