米ウォール街(写真=Shutterstock)

米国でインフレが再び強まる一方、主要銀行の第3四半期決算では、消費の落ち込みや与信の悪化はなお鮮明には表れていない。物価上昇で家計負担が重くなるなかでも、消費と融資需要は比較的底堅く推移しているようだ。

15日付のAmerican Bankerによると、Citi、Wells Fargo、JPMorgan Chaseなど米大手銀行の第3四半期決算では、個人向け金融部門の堅調さが目立った。

米労働統計局が前日に公表した9月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.7%上昇した。8月の3.4%から0.3ポイント伸びが拡大し、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げ観測もくすぶっている。

それでも銀行決算は総じて底堅かった。Citiは、資産運用部門の顧客資産残高が1兆3900億ドルと、前年同期比9%増となった。売上高は15%増、純利益は93%増だった。

Wells Fargoも、新規クレジットカード口座と自動車ローンの増加を追い風に、売上高、利益ともに伸びた。個人向けローンでは、利息収益を生まない与信が1年前に比べて8%減少した。

JPMorgan Chaseの第3四半期純利益は153億ドル。コンシューマー・コミュニティバンキング部門の純貸倒償却額は19億8000万ドルで、前年並みだった。

信用損失引当金の繰入額は27億ドルと、前年の34億ドルから減少した。ただ、直前四半期の25億ドルからは増えており、警戒はなお残る。

American Bankerは、物価上昇が消費者の負担を重くしているものの、現時点では銀行の損益に大きな打撃として波及していないと伝えた。

一方で、銀行業界はAIの普及がもたらす新たな競争にも備え始めている。JPMorganの経営陣は、AIエージェントが顧客にとってより有利な預金金利を自動で探すようになれば、銀行間の金利競争が激しくなる可能性があるとの見方を示した。

銀行がAIを活用した相談サービスを自社で運営する場合、誤案内や顧客情報の取り扱いを巡る法的責任も新たな課題として浮上する見通しだ。

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