イーサリアム(ETH、写真=Shutterstock)

イーサリアム相場が反発局面から急失速した。24時間の清算額は市場全体で2億9200万ドルに達し、このうちBinanceだけで1億5700万ドル超のポジションが解消された。先物市場で膨らんでいたレバレッジの高さが、あらためて浮き彫りになった格好だ。

Cryptopolitanが15日(現地時間)に報じたところによると、Binanceで発生したイーサリアムの清算額は、直近6カ月で最大級の時間帯別水準だったという。

今回の急変では、イーサリアム先物市場の過熱感が鮮明になった。イーサリアムの清算額が24時間で2億9200万ドルに膨らんだほか、ビットコインでも約2億ドルの清算が発生。高リスクのポジションが短時間で一斉に整理され、相場の戻り基調も途切れた。

清算の進行後、イーサリアム価格は一時2362.43ドルまで下落した。第3四半期には74.6%上昇し、その後数週間も相対的に底堅く推移していたが、今回の調整で市場センチメントは急速に悪化した。

価格指標も弱気方向に傾いている。イーサリアムは直近1週間で8%超下落し、下落率はビットコインを上回った。暗号資産の恐怖・強欲指数は29まで低下し、恐怖圏に入った。市場心理は価格水準が今より高かった局面と比べても、7月以降で最も弱い水準に落ち込んだ。

清算が集中した価格帯も鮮明だ。イーサリアムは2500ドルを下回る流動性ゾーンを消化した後、2300ドル台でも追加の清算を誘発した。一方、清算ヒートマップでは2600ドル近辺に新たなショートポジションの積み上がりが確認されている。価格が急反発した場合、この水準ではショートスクイーズが起きる余地もある。

デリバティブ市場の重さも増している。10月に入ってイーサリアムの流動性は低下し、未決済建玉は200億ドル近い水準から150億ドルまで縮小した。ただ、足元では2600ドル近辺にショートが積み上がっており、相場反転時の変動余地はなお大きい。

直接の引き金としては、米国の物価指標が挙げられている。アナリストのダークプロストは、イーサリアム市場が9月の米消費者物価指数(CPI)上昇率の拡大を受けて反応したとの見方を示した。ガソリンやエネルギーコストの上昇が、物価を押し上げたと指摘している。

今後の変動要因も、引き続きデリバティブ市場に集中している。足元で利用可能な流動性の相当部分はショートポジションにひも付いている。急落によって既存のロングポジションが大きく整理されたため、イーサリアムが価格帯を素早く取り戻せば、短期的な反発余地もある。

実際、直近の下落局面では、スマートマネーとされるクジラがイーサリアム現物を買い集めた後、Binanceから出金した。

もっとも、短期見通しにはなお慎重姿勢が残る。市場心理の冷え込みに加え、追加下落への警戒も根強く、短期的に2000ドル割れを試すとの見方も出ている。相場の次の方向感は、現物買いが続くか、それともデリバティブ市場で追加清算が一段と進むかに左右されそうだ。

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