Rippleの提携拡大が続くなか、XRP保有者の不満が再び強まっている。きっかけとなったのは、同社がDriveWealthとの協業を発表したことだ。事業面での前進との受け止めがある一方、XRP価格への波及は限定的で、保有者の間では「事業成果がトークン価値にどう結び付くのか」を問う声が強まっている。
15日(現地時間)、ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」によると、XRP関連のインフルエンサーであるジョン・スクワイア氏は、Rippleのブラッド・ガーリングハウス最高経営責任者(CEO)に対し、提携拡大がXRP保有者にとって具体的な利益につながるべきだと訴えた。
Rippleは今回、グローバルに展開するブローカレッジサービス基盤のDriveWealthとの協業を公表した。両社はデジタル資産インフラの高度化に向け、決済、清算、カストディ、機関投資家向け金融サービスで連携する。
スクワイア氏はX(旧Twitter)への投稿で、XRPコミュニティはRippleの相次ぐ提携発表を注視しているものの、XRP自体には十分な恩恵が及んでいないと指摘した。「XRP投資家は疲れている。Rippleのビジョンは信じているが、その進展がXRP価格に反映されるのを人々は見たい。希望には結果が必要だ、ブラッド」と述べた。
こうした不満は以前からXRP保有者の間でくすぶってきた。XRPは現在1.34ドル(約201円)前後で推移し、直近7日間で約2.9%下落。8月には一時1.70ドル(約255円)を付けたが、その後は20%超値を下げた。
長期的な値動きへの不満も根強い。XRPは約10年間にわたり、3.84ドル(約576円)を上回れていない。ビットコインが10万ドル台まで上昇したのと対照的に、XRPは本格的な上昇局面に入れていないとの見方が広がっている。
もっとも、今回の提携が事業面で無意味というわけではない。DriveWealthは欧州で、RippleUSD(RLUSD)をXRP Ledger(XRPL)上で活用し、決済の清算を行う計画だ。あわせてRipple Paymentsも活用し、DriveWealthのグローバルパートナーによる越境送金の効率化を支援する方針としている。
両社の協力は、カストディや金融サービス分野にも及ぶ。Rippleは、DriveWealthの欧州におけるデジタル資産カストディ需要に対応し、その後の他市場への展開についても協議している。また、米国株式および株式デリバティブ関連サービスを提供する「Ripple Prime」を通じた資金調達機会も検討しているという。
今回の協業により、DriveWealthの顧客はステーブルコインで口座に入金し、担保を管理したうえで即時に現金化できるようになる。狙いは、従来の銀行送金への依存を下げることにある。ナウリン・ハサンCEOは、同社がすでに週5日24時間体制の取引を提供しており、決済システムにも同水準の効率性を求めていると説明した。
ただ、今回の提携が直ちにXRP需要の拡大につながる構図ではない点が、市場の関心を集めている。協業にはRLUSD、Ripple Payments、デジタル資産カストディ、金融サービスが含まれるが、すべての取引でXRPが直接使われるわけではない。RLUSDとXRPは別個の資産であり、RLUSD建て決済の拡大がそのままXRP需要の増加を意味するわけではない。
このため市場では、Rippleの企業ネットワーク拡大が今後どのような形でXRPに結び付くのかに注目が集まっている。XRP保有者は、Rippleの事業成果がトークンの市場パフォーマンスに反映されるかを見極めようとしている。