ブラジルでビットコイン財務事業を手がけるOranjeBTCが、ビットコイン担保融資とデジタル信用商品を軸に、金融市場での活用拡大を進めている。規制整備やETFを通じた投資手段の広がりを背景に、企業としてのビットコイン財務戦略を具体化する構えだ。
Bitcoin Magazineが今月15日(現地時間)に報じたところによると、OranjeBTCのCEO、キウ・ゴメス氏は、ブラジル初のビットコイン担保融資の事例を紹介し、ビットコインの用途が金融分野へ広がっているとの見方を示した。
ゴメス氏は、ビットコインを担保資産として高く評価している。デジタル信用商品やビットコイン担保融資といった新たな金融商品が、ビットコインとグローバル金融市場の結び付きを強めていると説明した。OranjeBTCはこうした流れを踏まえ、ブラジルで企業としてのビットコイン活用戦略を具体化しているという。
その背景として同氏は、ブラジルの制度変化と投資需要を挙げた。ブラジルでは個人利用を中心にビットコイン導入が進んでおり、ビットコイン財務戦略を推進する企業を立ち上げる上で有利な条件が整っていると指摘した。選挙後の市場重視の経済運営への転換に加え、金利低下の可能性やレアルを巡る環境も要因として挙げている。
新たなビットコイン規制や、暗号資産事業者(VASP)のライセンス制度も追い風と位置付けた。OranjeBTCは、こうした制度整備がビットコイン関連の金融商品の設計や流通を後押しするとみている。
投資家のアクセス拡大にも言及した。海外投資家はOranjeBTC株を購入できるほか、ブラジルの投資家は現地取引所B3に上場するETF「DIGY11」を通じて、ビットコイン財務企業の優先株に投資できるとしている。
DIGY11の組入銘柄には、StrategyのSTRCやStriveのSATAが含まれる。いずれも、ビットコインを主要資産として保有する企業が発行する永久優先株で、満期を設けず、定期的な配当収益の獲得を狙う仕組みだ。
DIGY11はこれらの優先株に投資し、レアル建てで毎月分配金を支払う設計となっている。すでに初回分配金の支払いも終えており、ビットコイン関連企業の資金調達手段を、ブラジルの投資家向け収益商品へつなげる戦略と位置付けている。
ゴメス氏は、ビットコインの役割が担保資産にとどまらず、準備資産へ広がる可能性にも言及した。デジタル信用商品や担保融資の普及が進めば、ビットコインが世界の準備通貨に近づく可能性があるとの見方で、価格上昇を狙う投資対象にとどまらず、担保提供や収益分配、信用創出に活用できる金融資産として捉えている。
OranjeBTCはブラジル市場を足場に、こうした戦略の具体化を進めている。今後の焦点は、規制整備が実際の金融商品拡大につながるかどうか、またビットコイン担保型の信用モデルが現地の投資需要をどこまで取り込めるかにありそうだ。