有料放送のイメージ(画像=ChatGPT)

放送メディア通信委員会は、有料放送の活性化策を年内に取りまとめる。焦点となるのは、業界が求めてきた料金・約款規制の見直しだ。ただ、全面的な緩和には放送チャンネル使用事業者(PP)の反発が予想されるため、まずは影響の小さい付加サービス分野から見直す案が有力な選択肢として浮上している。

16日、関係者によると、同委員会はこのほど有料放送制度の改善案のたたき台をまとめ、内部での検討を終えた。今後は委員会内や関係省庁との調整を進めたうえで、年内に最終案を公表する予定だ。

有料放送事業者など利害関係者からは、別途、非公開で意見を聞く方針だ。

同委員会の関係者は「年内に活性化策を打ち出す必要があり、幅広く意見を聴いている。料金・約款規制や放送通信発展基金など、業界の主要な要望事項も点検している」と話した。

同委員会は8月、「有料放送活性化の官民協議体」を立ち上げ、規制見直しの議論に着手した。協議体には、インターネットマルチメディア放送(IPTV)、総合有線放送事業者(SO)、衛星放送事業者など、有料放送プラットフォーム8社とPP6社が参加している。

協議の場で業界側が主要課題として示したのが、料金・約款規制の改善だ。オンライン動画サービス(OTT)の拡大で有料放送市場の成長が鈍るなか、商品設計や運営に関する事業者の裁量を広げるべきだと訴えている。

見直し要望の中心の一つが、利用約款に関する「届出・受理」制度だ。IPTVでは、現行のインターネットマルチメディア放送事業法(IPTV法)第15条に基づき、サービス利用料金や利用条件を定めた約款を同委員会に届け出なければならない。既存約款を変更する場合も同じ手続きが必要となる。

この手続きは、書類を提出すれば直ちに効力が生じる仕組みではない。行政機関が届出を受理して初めて効力が発生する。IPTV法施行令第12条の2では、届出受理後7日以内に、受理の可否または処理期間延長の可否を通知するよう定めている。最小チャンネル商品と通信のセット商品の料金は、別途承認の対象となる。

業界は、こうした受理を前提とする届出を、届出だけで効力が生じる方式に改めるべきだと主張する。商品投入や料金プラン改定のたびに届出・受理の手続きを踏まなければならず、変化の速い市場環境に機動的に対応しにくいというのが理由だ。

IPTV業界の関係者は「商品は利用者の反応や市場の変化に合わせて素早く見直す必要があるが、約款の届出・受理手続きがあると、実際の投入まで数カ月遅れることもある。せっかく新商品を企画しても、投入が遅れれば市場の流れを逃してしまう」と話した。

業界側は、OTTなど競合サービスにはない料金・約款の事前規制が有料放送には課されており、商品競争力の確保を難しくしているとも指摘する。法定の処理期間は7日だが、商品企画から関係機関との協議、約款の届出・受理を経て実際に投入するまでには、相当の時間がかかるという。

一方で、届出・受理制度を全面的に緩和するハードルは高い。料金とチャンネル編成は有料放送商品の中核をなす要素であり、利害関係が複雑に絡むためだ。

とりわけ、届出のみで効力が生じる仕組みに移行した場合、有料放送事業者がチャンネルを柔軟に編成したり、特定チャンネルを外したりしやすくなる。このため、PP側の反発は大きいとみられている。

有料放送政策に詳しい専門家は「有料放送事業者がチャンネルを自由に入れ替えられるようになれば、PPにとって大きな負担になり得る。PPの反発は、現時点で約款規制見直しの最大の障害の一つだ」と指摘した。

料金規制の緩和についても、直ちに事業者の収益改善につながるとは限らないとの見方がある。OTTとの競争が続くなかで値上げは容易ではなく、料金変更に伴う政策面での負担も大きいという。

こうした事情を踏まえ、チャンネル編成や料金に直接関わらない付加サービスから規制を緩和する案が、現実的な代替策として取り沙汰されている。現在も、有料放送事業者がチャンネルを通じて提供する一部の付加サービスには、約款の届出義務が課されている。

前出の専門家は「チャンネル編成や料金規制を全面的に緩和すれば利害が衝突しかねないが、付加サービスであれば規制を緩めても影響は限定的だ。新サービスを機動的に投入できるよう、まずは付加サービス関連の約款規制から見直す案は十分に検討に値する」と述べた。

同委員会が年内に示す活性化策でも、約款規制をどこまで見直すかが主要な争点となる見通しだ。PPや視聴者保護のための規制を維持しつつ、新商品投入に関する事業者の裁量をどこまで広げるかが焦点になる。

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