中国電池大手CATL。写真=Shutterstock

中国電池業界の輸出環境が内外で厳しさを増している。中国政府が汎用リチウムイオン電池向けの税制優遇を縮小し、支援の軸足を次世代電池に移す一方、欧州連合(EU)も中国製ハイブリッド車(HV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の流入抑制に動いている。欧州に生産拠点を持つ韓国電池メーカーには、価格競争力の差を縮め、シェア回復を狙う余地が広がりそうだ。

中国は今年9月からリチウムイオン電池に消費税2%を課した。中国財政部、海関総署、国家税務総局が公表した「一部バッテリー消費税政策調整に関する公告」に基づく措置だ。

猶予期間を経て、2027年9月1日には法定の最高税率である4%に引き上げる予定。輸出面での優遇も縮小しており、リチウムイオン電池の付加価値税(VAT)輸出還付率は4月に6%へ引き下げられ、2027年1月には廃止される見通しだ。

これは、汎用リチウムイオン電池向けの税制支援を見直し、政策支援の重心を次世代電池へ移す動きと受け止められている。税負担を引き上げることで、汎用品を巡る過度な低価格競争を和らげる狙いもあるとみられる。

ナトリウムイオン電池と全固体電池についても、2028年末以降に免税措置を終了する予定だ。

こうした政策転換の背景について、IBK投資証券は、中国の産業育成策が補助金や税制中心から、資本市場を通じた民間資金の調達も取り込む方向へ変化していると分析した。不動産市況の悪化で地方財政の余力が低下していることに加え、米国の技術規制が続いていることも影響しているという。

欧州市場を成長先としてきた中国勢にとっては、二重の逆風となる。中国のEVメーカーは内需の伸びが鈍化する一方、輸出は高い成長を維持してきたためだ。

ユジン投資証券によると、欧州における中国勢のHV・PHEV販売シェアは、2024年10月の3.5%から2026年8月には25.5%へ拡大した。中国は国内の供給過剰分を海外市場に振り向けており、欧州、アジア、中南米の自動車産業に影響を及ぼしているという。

中国からの輸出攻勢は、韓国電池メーカーが欧州で苦戦してきた主因の一つでもあった。

EUはこの流れに歯止めをかける方針だ。中国で生産され、輸出されるHV・PHEVの年間輸出台数を、4年間で50%以上削減することで合意した。

これまで高率関税の対象は中国製の純電気自動車(EV)に限られていた。このため、基本関税のみが適用されるHVが中国勢の輸出ルートとして機能していたという。英国も同様の輸入制限措置を準備している。

こうした輸出抑制は、成長が続く欧州市場で韓国電池メーカーのシェア回復余地を広げる可能性がある。欧州のEV市場は前年から再び成長軌道に入り、今年と来年はいずれも販売台数が20%以上増えると見込まれている。

ユジン投資証券は、中国製HVの販売が減少すれば、韓国製バッテリーを搭載した車両の需要拡大につながる可能性が高いと指摘する。中国製車両の減少分を、韓国製バッテリー搭載車が取り込めるという見方だ。

さらに、米国でバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)市場の拡大も重なれば、2027年は韓国電池業界にとって、欧州シェアの底打ちから脱する転機になる可能性があるとしている。

もっとも、この需要を取り込むにはEUの原産地要件を満たす必要がある。来年初めに確定する見通しのEU産業加速化法案では、EV補助金の受給条件として、電池セルを含む主要素材・部品について3品目以上、3年後からは5品目以上の原産地証明を求めている。

韓国企業としては、3年後の基準を見据え、域内で原産地を証明できる素材・部品を増やす必要がある。セル工場に加え、素材・部品の生産拠点や自由貿易協定(FTA)上の枠組みは一定程度整っているものの、証明対象が増えるほど、セル以外の素材・部品をどこまで域内調達できるかが適合可否を左右する。

法案は電池関連要件とは別に、EV部品の70%以上をEU域内およびFTA締結国から調達することも求めている。韓国企業はポーランドやハンガリーなどにセル工場を構える一方、負極材、銅箔、電解液といった基礎素材では、なお中国製輸入への依存度が高い。

業界関係者は「脱中国を前提としたサプライチェーン再編では一時的なコスト負担が生じ得る。ただ、強化されるEU規制に対応し、欧州市場で生き残るために不可欠な投資とみるべきだ」と話した。

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