画像=原子層レベルの選択置換による2次元トランジスタ作製の概念図。提供=科学技術情報通信部

科学技術情報通信部は16日、基礎科学研究院(IBS)ファンデルワールス量子物質研究団のチョ・ムンホ団長の研究チームが、2次元半導体の原子を選択的に置換し、単一の薄膜上で複数の電気的機能を作り分ける技術を開発したと発表した。研究成果は同日、国際学術誌「Science」に掲載された。

2次元半導体は、原子層レベルの薄さでも電流を制御できることから、シリコン半導体の微細化限界を超える次世代材料として注目されている。一方で、実際のデバイス化には半導体、絶縁膜、金属電極といった異種材料を高精度に組み合わせる必要があり、これが実用化の障壁になっていた。

研究チームは、異種材料を積層する代わりに、既存の半導体を構成する原子そのものを置き換えて必要な機能を引き出す手法を考案した。タングステンジセレナイド(WSe2)中のセレン原子を酸素、硫黄、テルルなどに置換することで、絶縁体、半導体、準金属を狙った位置に形成することに成功した。

反応温度とガス圧を制御し、厚さ約0.7ナノメートルの原子層単位で物質を変換した。半導体プロセス用マスクを使うことで、特定の領域だけを選択的に置換できるという。

この手法を用いて、研究チームは単一薄膜内に半導体、絶縁膜、電極接合層を備えたトランジスタを作製した。電流のオン・オフ切り替えに必要な電圧変化量は61.3ミリボルトで、室温での理論限界とされる約60ミリボルトに近い水準だった。オン電流とオフ電流の比は1000万倍超を記録した。

また、電極と半導体の間に生じるエネルギー障壁は、金属電極を直接接合する従来方式の約3分の1に抑えた。絶縁膜の等価酸化膜厚(EOT)も1ナノメートル未満を実現し、超微細半導体に求められる性能を確保したとしている。

さらに、p型とn型のトランジスタを垂直に積層した相補型インバーターも試作した。1ボルトの低電圧で動作し、将来の3次元積層型集積回路への展開可能性を確認したという。

研究チームは今後、この技術をさまざまな2次元半導体材料に適用し、ウエハーサイズの大面積プロセスへ発展させる計画だ。

チョ・ムンホ団長は「原子単位で物質を制御する基礎物質科学の手法を、現代の半導体技術につなげた点に意義がある」とコメント。「超低消費電力・超微細半導体に加え、次世代の積層型半導体デバイス技術にも拡張できる」と説明した。

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