ネオクラウド戦略を発表するアン・ジェマン代表。写真=VESSL AI

VESSL AIは10月15日、「VESSL AI 2026 ネオクラウド戦略発表会」を開き、2028年までに国内8拠点のAIデータセンターを確保し、2030年までにGPUを20万基規模へ拡大する計画を明らかにした。分散したGPU資源を統合運用する「Fluid Computing」を中核に据え、推論サービスの展開やGPU調達に向けた金融スキームの構築も進める。

同社は2020年設立。自前で大規模インフラを保有するのではなく、各国のデータセンター事業者と連携し、それらを接続するソフトウェアを提供する形で、AI特化クラウド市場を開拓してきた。

これまでAIモデルの開発、学習、配布、運用を支援するプラットフォームを展開しており、その過程で蓄積したGPU資源管理やAIワークロード最適化の技術を生かして、事業領域を計算資源の供給からAIモデルの実運用支援まで広げている。

中核技術の「Fluid Computing」は、複数のデータセンターに分散するGPU資源を、顧客要件やワークロードの特性に応じて一元的に利用できるようにする仕組みだ。世界各国のデータセンターパートナーのインフラを接続しながら、利用者には単一クラウドのような使用感を提供できるとしている。

VESSL AIはこのFluid Computingを軸に、データセンターパートナー網を拡大するとともに、資金調達面での連携も進めながらGPU供給能力を段階的に引き上げる方針だ。

国内では、首都圏と非首都圏の電力事情や用地条件を踏まえ、8地域にAIデータセンター拠点を整備する。次世代GPUを収容できるデータセンターの構築も進め、2027年には自社GPUインフラ整備を本格化させる。

同社によると、2026年上期の売上高は1300億ウォン(約143億円)。通期では2500億ウォン(約275億円)を見込む。なお、上期売上高にはデータセンターパートナーに支払うインフラ原価が含まれるという。

GPU確保に向けては、総額4000億ウォン(約440億円)規模のグローバル金融スキームを進め、中長期のインフラ拡張に必要な資金も調達する方針を示した。GPUは年内に1万基、2027年に5万基、2030年に20万基の確保を目標とする。

GPU供給にとどまらず、AIモデル運用需要に対応する推論サービスも公開した。顧客はGPU資源を直接利用する方式に加え、トークン単位で利用できる方式も選べる。

VESSL AIはこれまで、Upstageの大規模言語モデル(LLM)「Solar Pro 4」にグローバル推論インフラを提供するなど、モデル提供事業者との協業を進めてきた。こうした運用実績を基に、モデル提供側が研究や製品開発に専念できる環境を整え、企業によるAIモデルの本番導入を安定的に支援していく考えだ。

アン・ジェマン代表は「AI開発の現場から出発したVESSL AIは、必要な計算資源の確保と効率運用という課題を解決しながら、ネオクラウドへと事業を拡大してきた」と述べた。そのうえで、「国内8拠点のAIデータセンターを基盤に、韓国のインフラとグローバルなAI需要をつなぐ世界トップティアのネオクラウド企業へ成長する」と語った。

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