ステーブルコイン決済ブロックチェーンのTempoで、プライバシー機能「Zones」を給与プラットフォームのDeelが初めて導入した。公開ネットワーク上では資金の入金記録を確認できる一方、契約者ごとの受取額や残高は外部から見えない仕組みとなる。
The Defiantが14日(現地時間)に報じたところによると、DeelはZonesを通じて、各契約者が受け取った金額や現在の保有残高を外部から見られないようにする。
一方で、DeelがZonesに入金した資金の記録は、公開ネットワーク上で確認できる。どの契約者がいくら受け取り、いくら保有しているかは公開されない。契約者は自分の残高のみを確認でき、Deelは精算や監査に必要なアクセス権を維持する。
今回の導入は、Deelが8月に約80カ国の契約者向けに拡大した既存ウォレットに、プライバシー機能を追加したものだという。
Tempoは4月にZonesを初公開し、現在は一部の利用者に限定して提供している。
Zonesでは、ゾーンごとに個別の非公開台帳を運用する。この台帳は、担保資産を保管するポータルを介してTempoの公開ネットワークに接続される。運営側はこの台帳を閲覧できるが、入出金についてはトークン数量と公開ネットワーク上のアドレスまでが公開記録として残る。
また、運営側は参加者と対象資産の範囲を制限できるほか、トークン発行体の送金ポリシーも適用できる。外部には取引記録を非公開としつつ、Zonesを運用する企業には必要な可視性を持たせる設計だ。
現在のZones開発者プレビューでは、通常アカウント間のトークン送金や、ユーザー向け配布用スマートコントラクトには対応していない。利用できるのは、入出金インフラを通じた資金移動に限られる。
強制出金機能もまだ一般提供されていない。このため、運営者が取引バンドルを継続的に処理して提出しない限り、出金できない仕様となっている。