15日にソウルのフォーシーズンズホテルで開かれた「グローバル・ローカライゼーション・ラウンドテーブル」に登壇したダーシー・パケット氏(左端)、サンデル・バン・デル・プール氏、ジェニー・ロス氏、ジョン・ドミタ氏。写真=デジタルトゥデイ

Netflixは10月15日、韓国作品の世界展開を支えるローカライゼーション体制の概要を明らかにした。吹き替えは1言語あたり通常50~60人が制作に関わり、現在は吹き替え36言語、字幕33言語に対応。米国・カナダ、欧州・中東・アフリカ、アジア太平洋、中南米の4地域で計122社と連携しているという。

同日、ソウルのフォーシーズンズホテルで開かれた「グローバル・ローカライゼーション・ラウンドテーブル」で、キャサリン・ルタット氏(Netflixグローバルコンテンツ・ローカライゼーション・シニアディレクター)は、「1つの吹き替え版の制作には通常50~60人が必要だ。10言語で吹き替えれば500人が参加することになる」と説明した。

ルタット氏は、吹き替え制作には声優、翻訳者、吹き替え台本の脚色担当、演出家、音響エンジニア、品質管理担当者など多くの専門人材が関わるとしたうえで、「吹き替えは決して付随的な作業ではない。ローカライゼーションは事実上、“第2の制作”だ」と強調した。

Netflixによると、韓国作品の世界的な人気拡大に伴い、ローカライゼーション需要も増している。世界の会員の80%が韓国作品を視聴したことがあり、これまでに200本超の韓国作品がグローバルTop10入りしたという。

11月6日に公開されるイ・チャンドン監督の新作「可能な愛」では、32言語の字幕と18言語の吹き替えを提供する。あわせて、視覚障害者向けに10言語の音声ガイド、聴覚障害者向けに3言語の字幕も用意する。

イベントでは、韓国語特有の文化的表現を海外の視聴者にどう伝えるかというローカライゼーション上の工夫も紹介された。

「可能な愛」の英語字幕翻訳を担当したダーシー・パケット氏は、作中で夫婦が夫を名前で呼び、それを別の人物が不思議がる場面を例に挙げた。セリフをそのまま訳すと海外の観客が韓国文化を誤解する恐れがあると判断し、イ・チャンドン監督や制作陣との協議を経て、「オッパ」という表現を英語字幕でもそのまま残したと説明した。

会場では、AIを活用した翻訳・吹き替え技術に関する質問も出た。Netflix側は、AIはクリエイターや専門家の作業を支援する有力なツールにはなり得るが、置き換えるものではないとの認識を示した。特に繊細な感情表現では、人間の専門性が引き続き重要だとした。

今回のイベントは、韓国コンテンツ振興院とNetflixが共同開催したグローバルコンテンツ・ローカライゼーション・ワークショップと連動して実施された。

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