ビットコイン現物上場投資信託(ETF)から資金流出が続く一方、オンチェーンでは大口保有者(クジラ)の買い増しが加速している。ETF市場と大口投資家の動きに、対照的な傾向が出ている。
10月14日(現地時間)にCryptoSlateが報じたところによると、直近のビットコイン現物ETFの純流出額は7億4430万ドル(約1120億円)に達した。一方で、大口保有者のビットコイン合計保有量は303万BTCまで増加した。
オンチェーン分析会社CryptoQuantは10月13日付のレポートで、大口保有者の保有量が2月以降で最も速い月間増加ペースを記録したと明らかにした。ETFでは資金流出が続く一方、オンチェーン上では大口保有者がビットコインを積み増しており、需給を巡るシグナルは分かれている。
もっとも、両者を単純に比較することはできない。303万BTCは大口保有者の新規買い付け量ではなく、あくまで合計保有量を示す数字だ。これに対し、ETFの純流出額は一定期間に流出した資金の差し引き額を指す。大口保有者の保有増加がETFからの資金流出と対照的なのは確かだが、この数字だけで流出分をどの程度吸収したかを判断するのは難しい。
今回の買い増しは、米物価指標の発表を控えた局面で確認された。金利見通しやリスク資産への選好が指標次第で変わり得る環境でも、大口保有者はビットコインの保有を増やした格好だ。市場の関心は、指標通過後もこうした買いが続くかどうかに移っている。
今後はETFの資金フローも重要な焦点となる。大口保有者の買いが続く中でETFからの流出が鈍れば、ビットコインの需給面の重しは和らぐ可能性がある。逆に、米物価指標の受け止めがリスク回避につながれば、大口保有者の買いが流出圧力をどこまで打ち消せるかが問われる。
当面の注目点は、米物価指標の発表後にクジラとETF投資家の売買動向が同じ方向に向かうかどうかだ。発表前に確認された大口保有者の買いが継続的な需要につながるのか、ETF市場への資金流入が再開するのかが、ビットコインの需給を見極めるうえでの重要な材料となる。