英国の中小企業でAI活用の統制不備が浮き彫りになった。写真=Shutterstock

英国の中小企業でAI導入が進む一方、ガバナンスやコスト管理の整備が追いついていないことが分かった。未承認のAIツール利用を確認した企業は24%に上り、想定を上回る利用料を請求された企業も39%に達した。ROIを算定できるとする企業は16%にとどまった。

TechRadarが14日(現地時間)に報じた。企業向けソフトウェア流通を手掛けるPax8の調査によると、英国の中小企業ではAI導入が加速する一方、管理体制の整備が後手に回っている。

特に、社内開発したAIを文書化された手順に基づいて審査する体制を整えている英国中小企業は23%にとどまった。ドイツは32%、米国は36%で、英国を上回った。

コスト管理面での課題も目立った。英国中小企業の39%は、想定を上回るAI利用料を請求された経験があると回答した。AI専用の予算を設けている企業は12%にすぎず、19%はAI関連支出を他のIT支出と切り分けて管理できていなかった。利用実態や課金の仕組みを十分に把握できていない企業が少なくないことを示している。

投資対効果(ROI)の把握でも弱さが表れた。AIのROIを算定できると自信を示した英国中小企業は16%にとどまった。スウェーデンでは45%が算定に自信があると回答しており、英国との差が際立った。

導入状況でも主要市場に後れが見られた。自社AIを開発中の英国中小企業は54%だったのに対し、米国は81%に達した。AI導入を急ぐ流れが強まる中、英国では基本的な運用ルールの整備が十分でないまま活用が先行している可能性がある。

Pax8は、こうした課題への対応で供給側の役割が重要になるとみている。ソフトウェア企業やITサービス事業者は、利用企業に対して可視性やセキュリティ、ガバナンス統制、コスト管理の手段をより適切に提供する必要があると指摘した。

今回の調査は、英国中小企業のAI課題が導入拡大そのものよりも、運用と管理体制の整備にあることを示している。未承認ツールの利用、予算統制の不備、ROIの見えにくさが同時に表れており、今後はセキュリティやコスト管理機能を前面に打ち出すソフトウェア企業やITサービス事業者の重要性が一段と高まりそうだ。

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