Appleは中国本土向けApple Intelligenceで、AlibabaのAIモデル活用に向けた条件整備を進めた。写真=Shutterstock

Apple Intelligenceの中国本土での展開が近づいてきた。Engadgetが14日付で報じたところによると、中国工業情報化部(MIIT)は、Apple Intelligenceで活用されるAlibabaの大規模言語モデル(LLM)「Qwen」と、画像・動画生成AI「Tongyi Wanxiang」を認可した。

今回の認可により、Appleは中国本土で販売する対応iPhoneにApple Intelligenceを搭載するための体制をほぼ整えたとみられる。Appleは7月、中国本土でApple Intelligenceを提供するための許可を得ていたが、実際のサービス開始には至っていなかった。

当局の更新文書には、iPhone Duoと18 Proに関するネットワーク接続許可も盛り込まれた。このうちiPhone Duoは来週、中国で発売される予定で、改良版SiriのAI機能が主要なソフトウェア機能の一つと位置付けられている。

Apple Intelligenceの提供時期が新型iPhoneの発売日程と重なる可能性もあり、Appleが中国市場でAI機能を前面に打ち出す公算は大きくなった。

中国本土では、香港と比べてAIや個人情報保護に関する規制が複雑で、Apple Intelligenceの投入は遅れてきた。香港ではすでにApple Intelligenceの多くの機能が提供されている一方、中国本土では規制要件を満たすため、現地企業との協力体制が必要だった。

Appleが米国でApple Intelligenceを発表してから約2年を経て、中国本土での導入がようやく現実味を帯びてきた形だ。

Appleは米国ではGoogleやOpenAIの支援を受け、モデル学習や高度な問い合わせ処理の仕組みを構築してきた。ただ、中国本土では同じ枠組みをそのまま適用できなかった。

このためAppleは、中国市場向けに現地AI企業と連携する方向で調整を進めていると2025年初めから取り沙汰されており、当時からAlibabaが有力な協業先として注目されていた。

その後、この夏にはQwenが中国の消費者向けApple Intelligenceの中核モデルになるとされるようになった。対象機器はiPhoneにとどまらず、iPad、Mac、Vision Proにも及ぶ。

つまり、中国で販売される対応機器全般にAlibabaのモデルが組み込まれる構図になる。

Tongyi Wanxiangの認可も重要だ。Apple Intelligenceにはテキスト処理だけでなく、画像・動画生成機能も含まれる。中国の規制では、こうした生成機能も個別に承認対象となるためだ。

Appleが中国本土でAI機能を拡充するには、言語モデルに加えてマルチメディア生成ツールの確保も欠かせない。今回の認可で、その要件を満たした可能性が高い。

中国はAppleにとって重要市場の一つだ。Apple Intelligenceが製品の中核機能になりつつある中、中国本土で未提供の状態が続くことは、製品競争力にも直結する課題だった。

今後は、iPhone Duoの発売前後にApple Intelligenceが実際にどの範囲まで提供されるのかが次の焦点となる。

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